私は野に咲く花が大好きだ。花屋の店先に並んでいる人工的に改良された華やかさだけを競うような花よりも、自然の野に、そっ!と咲いている花に心が魅かれる。野の花は自分からはその美しさを語ることは無い。なぜなら、その美しさは、“見る人の心”そのものだからだ。
時には雑草と呼ばれるそんな小さな花も、そっと顔を近づけてよく見ると、内に秘めた美しさに胸を打たれる。「ありがとう」と、ささやく声が聞こえてくるようだ。私は花の季節になると、そんな彼女達に会いにカメラを持って田舎の野山によく出かける。しかし、そんな田舎も、近頃は去年まで咲いていた花が、新しい道路が出来たり、宅地造成されていて跡形もなくなっていることがよくあって、どんどん自然が破壊されて行く現実にガッカリすることが多い。
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