遠州野仏紀行

日本は仏教国です。日本の全国いたるところに様々な仏様が祀られています。なかでも一般庶民の信仰の対象である観音様やお地蔵様が、お寺の境内は勿論、野の草むらの中や道ばたに数多くあります。これらを総称して野仏と言ったりします。身近な遠州地方に点在する野仏を紹介したいと思います。一口に仏様といっても実に多くの種類があることが分かりました。日本人でいながら仏教について、仏像について殆んど知らないことも分かりました。野仏を取材してとても勉強になりました。

仏様にもランクがあります。まず大日如来・釈迦如来といった、如来のグループがいます。「如来」と言うのは<真理の世界から来たもの>と言う意味で、悟りの境地に至って真の仏様になった者のことを言います。狭い意味で言えば如来だけが仏なのです。

次に観音菩薩や地蔵菩薩といった菩薩のグループがあります。これは<修行者>であり、<いづれ如来になるであろう者>です。阿弥陀如来も仏になる前は法蔵菩薩と言う名前でした。

この他にも明王とか天といった者がいます。不動明王とか帝釈天といった仏たちです。このグループはいわば仏教の守護者であり、邪悪な存在から仏と法を守り、教えに従わない者たちを教化する役目を負っています。その他、童子とか使者といった呼び名の付いた仏たちもいます。

これ以外にも五百羅漢、閻魔様、庚申塔、観音様にも、馬頭観音、千手観音、十一面観音など、実に様々仏様がいることが分かりました。遠州の野仏を訪ね歩きながら仏像について勉強していきたいと思います。(2007・7・吉日)