初めての沖縄旅行:第3日目(2006年4月1日(土))



ヤエヤマヤシ

朝食朝うつらうつらして目が覚めて時計を見てビックリして飛び起きた。もう7時であった。沖縄は本土よりも西にあるので朝明るくなるのが遅い。今日は石垣島の島巡りをする為に、朝8時半に観光タクシーがホテルに迎えに来ることになっていた。慌てて飛び起きて7時半にレストランでバイキングの朝食を摂った。よっぽど昨日の島巡りで疲れていたのか。ホテルのフロントでチェックアウトをしてしばらくしたらタクシーが来た。いよいよ今日は石垣島の島巡りである。今日も良い天気に恵まれた。タクシーのドライバーは生まれも育ちも生粋の石垣島の島民“上里経治”さんと言った。私に対して自分のことを“おじさん”と言っていたが、話を聞くと私より4,5歳若いようだ。随分私も若く見られたものである。

ヤエヤマヤシ

海底最初に向かった先は「ヤエヤマヤシ群落」。写真を見て是非行きたいところだった。世界中で石垣島と西表島だけに生育する一属一種の珍しい木である。高さ20メートル、葉の長さ5メートル、樹齢200年以上の木もあるそうだ。見事な樹海だった。次に向かった先は川平(かびら)湾。船底がガラス張りのグラスボートに乗って、湾内の珊瑚礁の海を泳ぐ熱帯魚の群れが、まるで水族館のように見ることが出来た。観光客の1人が言った。「うわー!まるで水族館みたい」。すると、まっ黒に日焼けした青年船長が、「水族館のほうが自然を真似ているんだよ」といった。確かのそのとおりだ。とにかく湾内は水の透明感が素晴しくエメラルド色に輝き、砂浜は珊瑚で純白。素晴しいの一言に尽きる。ここも絶対訪れたい場所だったが、写真の世界が現実となり満足であった。

川平湾

石垣の塩次にタクシーが案内してくれたところは、(株)石垣の塩という島で海水から天然の塩を作っている工場だった。島の湾からパイプを引いて、天然のきれいな海水から作る塩はミネラルが豊富で味がいいという。工場は休みだったが、奥さんがいろいろ説明してくれた。すぐ裏の海水を引いている湾も案内してくれた。こんなにきれいな海水から作る塩なら美味しい塩が出来る筈だ。「ここから見る夕日は毎日暮らしていても感激する」、と奥さんが言っていた。瓶詰めの塩をいくつか買ってしまった。そういえば、沖縄の料理はどれもあっさりした塩味がベースになっている。ソーキそばや沖縄そば、ゴーヤーチャンプルーもそうだった。石垣島の人達は、みんなこんな美味しい塩で味付けした料理を食べているのだ。

砂糖工場塩の次は砂糖工場に案内してくれた。沖縄と言えばサトウキビから作る黒砂糖である。昔ながらの製法で小規模で経営している小さな工場だった。ちょうど大きな釜で砂糖を煮詰めているところだった。出来たての黒砂糖を試食したら素朴ないい甘さだ。思わず買ってしまった。「かじってみますか?」とサトウキビの切れ端をくれた。50数年ぶりのサトウキビの味が懐かしかった。工場の横で黒砂糖を原料にした菓子を作っていた。売店にはいろいろな種類の“ちんすこう”が並んでいた。作っているところを見て試食できるのはいい。沖縄のお菓子といえばどこへ行っても“ちんすこう”だが、作っている場所によって味も食感も違う。ここのは結構素朴な感じで美味しかった。ついついお土産に何箱かゲットしてしまった。

唐人墓次は砂糖工場の近くの「唐人墓」に案内された。中国風の華やかな墓だが、その昔、アメリカやイギリスで奴隷貿易が行われていた頃、中国人の奴隷380人を載せた船が石垣島で座礁し、脱走した中国人は島の人たちに助けられたが、後にアメリカ人とイギリス人に追われて処刑された。そんな暗い歴史が残っているところだ。その時の中国人を祭っている墓である。

みねや工房その後、石垣島では有名な焼物作家の店に立ち寄ったが、値段の割りに気に入った作品がなかったので,さらっと見ただけで出てきてしまった。石垣島の最後は「みね屋工房」という、石垣島の織物の機織体験をしたり織物製品を売っているところだった。夏に涼しそうな小粋な麻のシャツなどがあったが結構値段も良かった。そんな予算はなかったので着る物は見るだけ、石垣島の海を表した石垣ブルーの小さなテーブルクロスとティッシュカバーをお土産に買ってきた。

那覇空港まだ石垣島の見どころはあったが、行きたかった所はほとんど案内してもらった。今日は午後は沖縄本島に渡る日だ。石垣島空港を13時10分発の那覇空港行きの飛行機に乗らないといけない。余裕を見て12時に空港まで送ってもらった。タクシーの契約時間3時間を30分超過してしまったがサービスしてくれた。搭乗手続きを済ませて、2階の食堂で昼食をとることにした。八重山そば、577円を注文した。沖縄のそばは、どこで食べても、ソバとうどんとラーメンを足して2で割ったような麺だった。味もあっさり味で好きだった。今日は土曜日、しかも春休みとあって、子ども連れの家族の乗客が多かった。13時10分発の飛行機は、搭乗手続きの遅れで、結局30分遅れの40分に出発した。

首里城

琉球舞踊那覇空港に30分遅れの14時30分に到着、すぐにタクシーで今日の宿泊ホテル「沖縄ハーバービューホテル」に着くと、部屋に荷物を置いて、すぐに次の目的地「首里城」に向かった。沖縄は鉄道のない唯一の県だったが、2003年8月に「ゆいレール」というモノレールが那覇空港から首里まで開通して便利になった。首里駅から歩いて15分ほどで首里城公園に着いた。土曜日で観光客でさぞ賑やかだろうと思っていたが、それほどでもなかった。中庭でテントが張られて琉球踊りをやっていた。優雅な宮廷の踊りのような感じだった。初めて見るのでしばらく見物した。赤い屋根に赤い壁、赤い柱の首里城は、かつての琉球王国の王都として栄華を極めたところ。さぞ広大な敷地を想像していたが、現在はそんなには広くはなかく、ぶらぶら1時間ほどで見て回った。

豚の顔首里城公園の近くに”ちんすこう”の元祖のお菓子屋があると、観光案内書に書いてあったので行ってみた。新垣菓子店というその店は城の堀のすぐ近くにあった。そんなに大きな店ではなかったが、素朴でシンプルなちんすこうだけが並んでいて、老舗の店という雰囲気があった。ここでみんなへのお土産に何組かのちんすこうを購入した。この後は那覇市の一番の繁華街、「国際通り」に行く計画だ。儀保駅から再びゆいレールに乗って牧志駅で降りて国際通りまで歩いた。国際通りの「第一牧志公設市場」を是非覗いてみたいと思っていた。沖縄の食材は何でも揃ってしまう那覇のビックな台所である。初め似たような通りが沢山あって迷ったが、地元のお店の人に聞いてやっと公設市場にたどり着いた。広大なアーケードの中には何店舗あるのか数え切れないほどの店舗が店を開いていた。

泡盛ここでのお目当てのメインは豚肉と海ぶどうだ。豚肉は沖縄では定番だが、息子に頼まれた豚の顔の肉を買った。豚の顔を剥いだそのままの形がしていて、少しグロテスクだ。海ぶどうは海草の種類だが、何年か前に息子が沖縄へ出張した時に買ってきて気に入ったものだ。プチプチした食感が面白い。次の買い物は泡盛である。沖縄のお酒といえば泡盛である。国際通りの泡盛専門の酒屋さん「古酒家(クースヤ)本店」へ行った。店内は泡盛でいっぱいだ。値段もピンからキリまである。地下で試飲ができるというので何種類かの泡盛を試飲してみた。いろいろ飲んでいるうちにどれが美味しいのかさっぱり分からなくなってきた。結局値段も中くらいの最初の石垣島産の泡盛を10本ほど買って宅急便で送ってもらうことにした。

民謡居酒屋予定の買い物も全て終って、今夜の夕食はホテルではなく、国際通りの民謡居酒屋「地酒横丁」と決めていた。折角沖縄へ来たなら沖縄の民謡のライブ演奏を聴きながらお酒を飲んで食事がしたかった。観光案内書には予約をしておいたほうが良いとのアドバイスであったが、予約はしていなかった。店に入って聞いたら運良く席が空いていた。沖縄料理と生ビールを注文して、しばし沖縄民謡の生演奏を聞きながら楽しい夕食時間を過ごした。最後にお客も一緒に踊るシーンがあったが、私たちは気後れして踊らなかった。少し飲み方が足らなかったか。

沖縄の最後の夜はこうして楽しいひと時を過ごして終った。帰りはタクシーでホテルに帰って10時頃にはぐっすり寝てしまった。