アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.140

「今年のヒガンバナは?」

ヒガンバナ

今年の夏はとにかく暑かった。気象庁の記録によれば浜松地方の7月、8月の最高気温が30度を下回ったのはいづれも3日間だけだった。7月の最高気温が39.2度、8月は37.2度だった。実際には地域によってはそれ以上だったかもしれない。

我が家のエアコンがこんなに活躍したのも初めてだった。部屋の温度が朝から30度を超え、夜の寝る時間の寝室の温度が34度の時も何日かあった。エアコンなしでは命に関わるほどだったので、日中・夜・寝ている間、つまりほとんど24時間冷房漬けの毎日が続いた。

そんなことが影響したのか、8月末に私の左ひざの関節が傷みだして歩行困難になった。冷房漬けが原因かどうか、外科病院に行って診察してもらった。レントゲン写真を見た医師の診断は「こういうのを変形性膝関節症と言います」と説明してくれた。年齢相応に軟骨が減って膝関節に影響しているという。冷房が影響しているとは言わなかったが、私の個人的な診断は冷房漬けが膝の痛みのきっかけになったのは間違いないと思う。当面は痛み止めの処方しかない。

そんな異常なまでに暑いまま秋の彼岸を迎えてしまった。しかし、彼岸の入りまで30度を超える中、彼岸の中日を境に急に涼しくなった。「暑さ寒さも彼岸まで」はやはり本当だった。彼岸と言えば、いつも15日頃には咲く我が家の白いヒガンバナは、今年の異常な暑さで果たして彼岸に咲いてくれるだろうかと心配になった。

ほかの植物の陰で見えなかったが、よく覗いたら痩せてはいるが小さな白いヒガンバナが一輪ひっそりと咲いていた。こんな異常気象にもめげずに彼岸の中日にはしっかり間に合わせて咲いてくれたのだ。多少の早い遅いはあるが植物の体内時計の正確なのには驚きである。リズムを崩さずに咲き続ける植物の律義さには敬服する。(2024.9.28)

「令和つれづれ草」トップ