アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.137

「ダンゴムシ」

ドクダミの花

日本中どこの庭でも見られるダンゴムシ。色が黒くて指でつつくと身体を団子のように丸めるのでマルマルムシの愛称もあるが、一般的にここらで見るのはオカダンゴムシというそうだ。余りに身近過ぎてじっくり観察したり調べたりしたことはなかった。名前に「ムシ」とついているが昆虫ではなく、エビやカニと同じ節足動物の仲間だそうだ。真っ黒いのがオスで金色の模様のあるのがメスだそうだが、確かに色は2種類あるのが分かる。

繁殖期は6月から9月のちょうど今頃で、庭の鉢やプランターを移動すると、その下で真っ黒になって群れている。主に枯れ葉を食べるが、雑食性で枯れ葉以外にも落ちた木の実や動物や昆虫の死骸なども食べる。落ち葉などを食べて微生物が分解しやすい状態に土壌を豊かにしてくれる反面、落ち葉以外の農作物の葉や茎も食べるので、人間にとっては害虫とまでは言えないが、不快害虫との側面もあり駆除の薬剤もある。我が家では自然に任せて自由に生きてもらっている。

ダンゴムシにも種類があるが一般的なオカダンゴムシは庭や公園、畑地などの枯れ葉や植木鉢の下などに多くいるが、無人島や離れ島など、人間の営みのない環境では生息の密度が低いことが分かっている。どうやら土壌のPH値(酸性・アルカリ性度合い)が関係しているらしい。アリと同様、ダンゴムシが大量に地上に這い出して来た時は地震が起こる前兆との異常現象が迷信的に言われているので、そんな現象が起きたら注意しよう。

東京で暮らす虫大好きの孫が幼稚園から小学校低学年までは、夏休みに我が家にやってくると庭のダンゴムシを捕まえては遊んでいた思い出がある。そんな孫もいつの間にか高校三年生になって受験勉強が忙しくなり来年の正月は来れないというが、今年の夏休みはどうかな。もうダンゴムシは忘れてしまっただろうか。(2024.7.27)

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