アンドレの「路上観察日記」

“風力コンパス”

自然は時に優れた芸術家になる。人間の力では到底及ばない素晴らしい芸術作品を作ることがある。今回はそれほど大げさなものではないが、ウォーキングのコースの途中で見つけた風の芸術品だ。風が植物の枝を振り子のように揺らせて、何回も何回も風に揺れている内に、風のコンパスで小屋の外壁に見事な弧を幾筋も描いた。いつごろの作品なのか、日付が書いてないので定かではない。時々ここは歩いているので、今まで気が付かなかったということは、そんなに昔の作品ではない。ごく最近の作品である。見つけた時にはカメラを持っていなかったので、後からわざわざ自宅からカメラを持って出直すなんて、私も物好きな人間である。(2010・9・3)

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