平安時代初期の大同年間(西暦806〜9年)弘法大師が高野山に開創する前に建てられた寺と言われている。この寺の北に陽光を受けて光る巨岩を霊地とみたてお堂を立てたことに始まる。気賀近藤氏の祈願寺として、徳川幕府から朱印状を賜り、ドウダンの庭を造り、山門、客殿、護摩堂、本堂、鐘楼をもち隆盛を誇っていた。満天星の庭は小堀遠州作の回遊式の庭で、2千平方メートルに及ぶ斜面に作られ、北方の富幕山の南腹の光岩を借景に取り入れたスケールの大きな庭です。特に200余株の満天星が春には白い可憐な花を、新芽の緑、秋には真紅に染まり四季折々に表情を変える。
休日だというのに訪れる人は私のほかにいなかった。檀家が15軒では庭の管理もままならず、今では住職もいないので鴨江寺の住職が兼務している。と受け付けてくれた檀家の男性は嘆いていた。(2010・11・20)