アンドレの「デジタルつれづれ草」85段

“嘘とモラル欠如がまん延してしまった日本”

「つれづれ草」は、楽しい話題、心豊かな 話題だけをお送りしようと、政治の問題と 社会性の強い話題は意識的に避けてきた。 しかし、昨年から今年にかけての余りにも ひどい事件や問題が表面化するに至って は、さすがに大人しいアンドレも我慢の限 界に達してきた。愚痴を言わせていただき ます。

マンション等の耐震強度偽装事件は、一部 の関連業界ぐるみで庶民をだまして、金儲 けをしていた。マンションは庶民にとって は一生に一度の高額の買い物である上に、 耐震強度は命にかかわる大問題である。一 部政治家も関係しているとの報道もある。 誰も責任をとろうとしないまま、未だに責 任の所在すら明確にされていない。表面化 したのは氷山の一角という感じもするが、 熊本県や福岡市で早くも第二の姉歯事件が 騒がれている。

ライブドアの証券取引法違反事件は、株価 を吊り上げる目的で、虚偽の企業情報を公 表した罪である。大学時代に起業して僅か 数年で巨万の富を得た若い青年ベンチャー 起業家の虚構に満ちた姿を見抜けなかった 投資家をはじめ、政治家も経団連の一流企 業の経営者達も、みんなバブルを経験して 学習してきたはずなのに、誰も疑わずにだ まされた。東京地検の狙いは、・・・「額 に汗して頑張っている若者がバカを見ない 世の中にしないといけない。」・・・と、 元検察OBのコメントである。私もそう思 う。

東横インのホテル不正改造問題は条例等で 義務付けられている身障者用客室を、建物 完了検査終了後、会議室等に改造していた という。調べたら建築確認違反やら、違反 物件が全国で60件以上も発見されたとい う。「怒られたら怒られたでいいや」と開 き直った社長の態度には呆れる。最近は社 長も大分うなだれて反省の弁を垂れている が、社長のほんとの心の中までは分からな い。

防衛施設庁の談合問題は、以前から行われ てきている不正であり、今更余りビックリ する話題でもない。一省庁だけではなく、 全省庁で同じような問題は発生している。 日本の官僚の腐敗振りは以前から周知の通 りで、天下りと談合の構図は今の与党の政 治では改革は無理である。

小泉内閣の構造改革も「改革」の名を看板 に掲げた、建前だけの「偽装改革」のよう な気がしきた。民営化も実態は「官」から 「民」への天下りの構図は少しも変わって いない。道路公団民営化や郵政民営化より も先に年金改革、社会保険庁改革をやって もらいたいものである。少子高齢化が予想 以上のスピードで進んでいる。これから大 量に停年を迎える国民の年金問題は深刻で ある。増税より先に税金のムダ使いを徹底 的に洗い直してもらいたいものである。

これらの事件や問題は、全て「人間の金に 対する欲望」のなせる業である。人間から 金の欲望がなくならない限り、こうした事 件や問題はなくなることはない。と言う事 は永久になくならない問題だと言う事だ。 ホリエモンは「人の心は金で買える」と 言ったそうだが、それは誤りである。金の 欲望には際限がない。行き着くとこまで 行って失敗しないとその過ちに気がつかな い。

アメリカ式の自由経済社会は何をやっても 自由ということでない。自ずと守るべき ルールはある。その前に人間としてのモラ ルがある。自から一人前の社会人を名乗る なら、自分のやった仕事には「誇り」と 「責任」を待たないといけない。一連の事 件や問題を起こした人達は、この2つとも 欠けてしまった人たちである。

もちろんお金は必要である。当たった試し はないが、私だって宝くじくらいは時々 買ってみる。私の場合はせいぜいその程度 の欲望である。やはり人間のほんとの幸せ はお金では買えないと思う。ほんとの幸せ は「心の豊かさ」だと思う。お金は普通に 平凡な生活が出来ればヨシとしないといけ ない。お金に執着するよりも「豊かな心」 を磨くことに努力して欲しいものである。 心はいくら豊かになっても害にならない し、誰も傷つかない。(2006・2・12)

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