アンドレの「デジタルつれづれ草」76段

“はまりそうで困っています!?”

ウクレレ

昨年、某楽器店の社長の依頼で、ある年配 の男性にウクレレを教えることになって、 30数年ぶりにウクレレを購入した(昔の ウクレレは壊れてなくなっていた)。芸能 好きのその男性は元中学校の校長先生、学 校の同窓会で、何でもハワイ土産で買って きたウクレレ伴奏で歌を歌いたいのだそう だ。毎週私の自宅に通って2曲ほど伴奏を 覚えて、半年後、同窓会で何とかその2曲 を歌うことが出来たと喜びの報告があっ た。その後も引き続きレッスンに来るはず だったが、それっきりバッタリ来なくなっ てしまった。レッスンの時も、いつも「難 しいなー!」とこぼしていた。初めて習う 年配者にとっては、簡単そうに見えるウク レレも、小さなフレットにごつい指が収ま らず、また、簡単な和音もフレットの素早 い移動がままならず「難しいなー!」と なってしまう。

30数年ぶりにウクレレを買って他人に教 えられるのか、と言われそうだが、ウクレ レはギターの5フレットと全く同じで、ギ ターが弾ければそんなに難しい楽器ではな い。そんな訳で、ほんとに久し振りに手に したウクレレが遊んでしまうのはもったい ないからと、時々ソロの練習をしたりして いた。遊んでいるうちに、絃楽器の音色が 特に好きな私は、こんな小さなウクレレの 意外な魅力に取り付かれ始めている。ウク レレはハワイアンの伴奏でポロン!ポロン !とやる程度と思っている方が多いかもし れないが、ソロ演奏も結構面白いものであ る。

ウクレレはハワイ語でウクが「蚤」、レレ が「跳ねる」。ちょうど弦の上で人差し指 が蚤のように跳ねるように見えことことか ら、この名前が付いたらしい。誠に小さな 可愛い楽器である。ウクレレの良いところ は、小さくて可愛いので持ち運びが楽。値 段も手頃(勿論数千円から十万以上と、ピ ンからキリまであるが)。悪いところは、 絃が直ぐ緩むことと、フレットが小さいの で、ハイポジションでは男のごつい手では 納まりにくい、と言うことがある。そこを 如何に上手く収めるかが工夫のしどころで ある。絃もギターの6絃に対して4絃と少 ないが、和音表現は十分に出来る。伴奏も ソロも1本で表現できてしまうのが素晴し い。

練習するなら1万円前後のウクレレで十分 である。ピアノやチェロは今更初めて挑戦 するのは難しそうだし、楽器の値段も高 い。ギターも年配者が初めて挑戦するのは 技術的に可なり難しい。その点、今まで楽 器などやったことがない人でもウクレレな ら少し練習すればそれなりに弾ける。ギ ターのように指圧が必要ない。・・・・と 思うのは40年以上も弦楽器に親しんでい る者の勝手な思い込みかもしれないが。

「いい日旅立ち」「亜麻色の髪の乙女」 「さとうきび畑」「大きな古時計」「なつ かしの我がケンタッキーの家」など・・・ ・。5〜6曲の十八番(おはこ)を作って おけば何かの時に結構役に立つ。何かと忙 しくてギター練習の時間もままならない昨 今、ウクレレに余り入れ込むつもりはない が、この小さくて可愛いウクレレの意外な 魅力に取りつかれ始めてしまった今、 “どっぷりはまりそうで”困っています。(2005・10・29)

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