アンドレの「デジタルつれづれ草」65段

“パラボラアンテナルックになった娘”

先月、我が家の末娘が開腹手術の為病院に 2週間も入院した。家族が病気の為病院に 入院したのは初めてとあって、我が家では 一大事であった。退院後もご覧のようにし ばらくは“パラボラアンテナルック”でし た。ちょっとガムテープでつぎはぎだらけ だけど、病院からの借り物だから文句は言 えない。お腹に穴が開いていて、腸が入り 込んで、いわゆる脱腸の状態だという。 ほって置くとそこが壊死して死んでしまう そうだ。

家族とあれば、ほっておく訳にはいかない ので緊急入院となりました。モモは健康保 険に入っていないので治療費が大変だっ た。「欲しかった新しいデジカメが買えた のに!」・・・・などと、心の中で思って も、決して口に出してそういうことは言っ てはいけません。家族の命はお金には代え られませんからね。

娘の名前は「モモ」、1995年3月1日 生まれ。桃の節句にちなんで名付けたが、 この名前の犬は結構多い。犬の年齢は人間 で言うと、生まれて1年で18歳、その後 1年で5歳ずつ歳を取るので、モモは人間 年齢で今年63歳になった。とうとう10 年で私の年齢を追い越してしまったのだ。

先日NHKの番組で最近のペット事情につ いて話していた。やたら飼い主や、人に噛 みつく犬が増えたそうだ。大きな原因の一 つは儲け主義だけのペット業者が増えたこ とだという。本来、犬は3ヶ月までは親と 一緒に過ごして、親の愛情を十分受けなけ ればいけないそうだ。人間で言えば8歳く らいまでだろうか。最近は生後1ヵ月半で 親元から離して出来るだけ早く売ってしま おうとする業者が多いという。当然子犬は 親の愛情が十分受けられない。

親の愛情を十分受けなかった子犬は情緒不 安定となって、精神状態に欠陥が多く、成 犬になってもなかなか直らない。人間に警 戒心を抱いて噛み付いてしまうのだ。犬に とっては本能的に自分を守る為の正当防衛 である。そう言えば、先代の我が家の愛犬 「麻呂」は、生後10日ほどの、まだ目も 見えない、自宅の前の土手に捨てられてい た捨て犬だった。目が見えないくらいだか ら、当然母犬の愛情など受けないまま捨て られたのだ。4歳で突然理由不明で変死し てしまったが、3歳頃から、首輪をはずそ うとすると私の手に噛み付くようになって しまって、大変だった記憶がある。今思う と、きっと、親の愛情が受けられなかった のが原因かもしれない。

この現象は、なにも犬の世界だけでなく、 現代の人間社会にも大いに当てはまる。問 題を起こす人間は、家庭で親の愛情を十分 受けないで育てられた人間が多い。親の愛 情を十分受けて、コミュニケーションが十 分取れた明るい家庭の子供は問題は起こさ ない。それにしても最近の少年の犯罪が多 いのが気になる。家庭環境、学校の教育、 社会環境などが複雑に影響して原因が単純 ではない。社会全体で真剣に取り組まない と日本の将来が心配である。(2005・6・25)

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