アンドレの「デジタルつれづれ草」52段

“蘇った美しい音色”

今回も家族の話でお許しください。 昨年暮れに、我が家の居間の片隅で埃を 被っていたアップライトピアノを10数年ぶ りに調律してもらった。末娘が東京の大学 へ進学した時以来である。 「アクションのバネが88鍵全て交換しな いとダメですね」と言われて、結構お金が 掛かってしまったが、お陰で美しい昔の音 色が蘇った。

上の孫が昨年8月で満3歳になった。正月 に帰って来た時に弾ける様にと、急きょ思 いついたのである。まだピアノは習ってい ないし、弾けないのにである。完全に爺馬 鹿である。例え出鱈目に弾いても音程だけ は正確な音を聞かせたいと思う爺心からで ある。 著名なピアニストは大概3歳からピアノを 習っているという。3つ子の魂100までで はないが、早いに越したことはない。親の 意向も、本人の意向も聞かないうちから、 お爺ちゃんは勝手に孫を音楽家にするつも りである。

別に音楽家にならなくても、子供の時に音 楽は絶対習っておくべきだ、と言うのが私 の持論である。音楽を愛する人に悪い人は いない。私の子供は三人とも小学校の頃、 ピアノ教室に通わせた。三人とも別に音楽 家にはならなかったけど、必ず永い人生の 中で役に立つはずであると確信している。 最も、プロの音楽家になるには才能が必要 で、努力だけでは無理である。私も音楽は 大好きだ。少しも上手くなれないが、音楽 は私の人生の中でとても大切な存在であ る。今の私に音楽のない人生は考えられな い。

最近はピアノ教室が下火との声を聞く。若 い世帯では経済的に余裕がなくなっている と言う事情もある。もっと現実的な進学の 為の学習塾の方が優先されるようである。 音楽大学を卒業しても誰でもプロになれる 訳もなく、音楽の先生になるのも大変、ピ アノ教室を開いても生徒が集まらない。・ ・・・との音大卒の女性の嘆きを良く耳に する。 情操教育が益々薄らいで、子供たちの心の ゆとり、豊かさがなくなってきているのは 嘆かわしい限りである。小学生のうちは基 本的な躾と情操教育に重点を置くべきだと 思うのだが。

ところで、せっかくお金を掛けて調律した ピアノを、肝心の孫が正月に来て、弾いて くれたのでしょうか。・・・・・・ご安心 ください。迷演奏を聞かせてくれました。 「雪やこんこん」「どんぐりころころ」・ ・・・本人はそのつもりで弾いていた。・ ・・・・その外即興演奏など、それはそれ はお爺ちゃんの思惑どうりの素晴しい演奏 でした。調律しておいた甲斐がありまし た。(折角録音した迷演奏の縮小ファイル が添付できなくて残念・・・・原因不明) ・・・・・・・救いようのない「爺ばか物 語」でした。・・・・・・・(2005・1・22)

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