アンドレの「デジタルつれづれ草」49段

“右脳と左脳”

右脳左脳

私の右脳と左脳をチラッ!とお見せしま しょう。 子供の頃は勉強が嫌いで特に数学と国語が 苦手だったので 左脳の発達が遅れたため小さい。音楽と絵 は好きだったので右脳は大きい。

脳には右脳と左脳があることは誰でも知っ ている。最近「右脳を鍛えなさい」など と、よく言われる。右脳は芸術的な創造性 とか鋭い洞察力を発揮する働きがある、と 言うのが一般的に知られた働きだが、右脳 と左脳の働きの違いはほんとはどうなの か。 右脳と左脳は母親の胎内にいる頃から別々 の道を歩み始めるそうだ。胎内には母親の 心音、食べ物が消化される音などの体内音 が届いている。低周波の非言語音の聞き取 りを得意とする右脳が先に成長し始め、周 囲に起こっていることに反応する。これら の非言語音を頼りに世界を理解していく。

誕生したばかりの時、右脳は視覚的な刺激 に強く反応するが、まだよく目が見えない し入ってくる情報は不正確だ。右脳はその 不正確な画像を処理して対処しなければな らない。視覚は人間の感覚の中でも最も勢 力が強い。右脳は長い波長で全体像を、左 脳は短い波長で細かい部分を処理する。 低い音に敏感な右脳は、声色やアクセン ト、強弱など、言語の持つ非言語的な要素 への感受性を発達させていく。高い声で呼 びかける母親の声を聞けるようになるの は、遅れて左脳が発達を始めてからであ る。

生まれたばかりの赤ちゃんに必要なのは、 目の前にいるのが母親かそうでないか、と いう大雑把な区別で、母親が髪を染めてい るとか、今朝はまだ化粧をしていないと か、そんな細かいことではない。そこで母 親であると言う全体像をつかむ右脳がまず 発達する。 やがて高い声で呼ぶ母親の声を聞けるよう になる左脳が発達して言葉を覚えるように なる。右脳に比べて成長が多少遅れる左脳 は、母親の声のニュアンス、外界の細かい 様子など複雑な情報との係わりを受け持つ ようになる。

人間は他の動物と違って、幼児期に過ごす 世界がそのまま発達の環境になる。正常な 脳に発達するには、ある程度まとまった量 と質の刺激を環境から受ける必要がある。 私が中学、高校と、少なくとも6年間は英 語の勉強をしたのに少しも英語が話せない のに、アメリカでは3歳の幼児がすらすら と英語で日常会話をしている。例えてみれ ばそんな事である。幼児期の家庭環境や周 囲の環境が如何に大切かが分かる。「3つ 子の魂100まで」だ。

右脳はものごとの大きな輪郭、大きな組み 立てや見晴らし、手足の大きな動きなどを 担当。左脳は細かい意味や身体の微妙な動 き、几帳面な分析などを担当。右脳は周波 数の低い波長、より大きな基本的な要素を 担当、左脳は高い周波数の波長、言語や倫 理、精密な区別を受け持っている。

また、右脳は左半身を、左脳は右半身をコ ントロールしているのは、脳が障害を受け ると反対の半身が不随になることでよく分 かる。感情のコントロールでも左右で違う のだろうか。左脳は幸福感と言った前向き な感情を、右脳は怒りなど後ろ向きな感情 を担当しているようだ。幸福感とか嬉しい とかプラスの感情は「今やっていることは やめないで」と言う現状維持のメッセージ であるのに対して、怒りや恐怖感などマイ ナスの感情は、走って逃げるとか、敵と戦 うとか、大きな動きが後に続く事が多い。 腕や脚などの大きな動きを管理するのは右脳の 担当と言う事になる。

こうして見ていくと右脳と左脳の働きの違 いを大雑把に言うならば「右脳は感じる専 門、左脳は考える専門」、「右脳は知恵 で、左脳は知識」ということも言える。 しかし、右脳と左脳は単純に働きが分かれ ている訳ではない。音楽を聴く場合、素人 が聞く場合は右脳が活発になり、音楽の専 門化が聞く場合は左脳が活発になるそう だ。それぞれが複雑に連携しあいながらコ ントロールし合っているのである。現代医 学で次第に解明されてきているが、脳の働 きはまだまだ未知なところが多く、複雑怪 奇である。

ところで、最近本屋さんで「大人の脳を鍛 えるドリル」の本がベストセラーだそうで ある。皆さんも挑戦しては如何ですか?・ ・・・「まだそんなにボケてはいないよ」 ・・・・失礼致しました。(2004・12・17)

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