アンドレの「デジタルつれづれ草」30段

“理想は「地産地消」”

昔は当たり前だった、「採り立ての旬の食 材をその土地でいただく。」 高度成長期の大量生産、大量消費が身に付 いてしまった現代人にとっては、今やそん な当たり前のことが最高の贅沢になってし まった。 生産者も生産能力を上げて、短期間に大量 に作って大量に売りさばかないと、この厳 しい競争時代を生き抜いていけない。大量 に化学肥料と農薬を使って、ハウスで夏野 菜も冬野菜も1年中フル稼働で生産してい る。

酪農もそうである。昔は自然の放牧場で自 然の草を食べてのびのび育てていた。耐寒 性の強い牛などは零下の真冬でも外で飼育 された。すこぶる健康な牛達であった。 今は運動もままならない狭い牛舎に入れら れて、農薬をたっぷり使った米国産のトウ モロコシを運動もしないで無理やりお腹 イッパイ食べさせられて、糖尿病になりそ こないの牛ばかりである。一方では飢餓に 苦しむ人間が世界で8億人もいると言うの に。

以前ブロイラーの鶏舎を覗いたことがあっ た。入ったばかりは一瞬目が見えないほど 暗い鶏舎に鶏がぎっしり。日光に当たら ず、運動も出来ず、その為柔らかい肉が出 来ると言うのか。どう見ても健康な鶏が育 つとは思えない。 大量生産、大量消費のそんな時代を反省す る人たちが増えて、地産地消を求める人も 最近は多い。私なども、近頃はほんとに美 味しいものを、少しづついろいろいただく 方が嬉しい年齢になりました。これからの 農業もそんな二極分化が進むような気がし ます。

ところで、最近遠州灘沖で水揚げされる天 然トラフグを地元でブランド化をしよう と、舘山寺の旅館、ホテルを中心に若手グ ループが運動に乗り出した。全国の40%も 遠州灘で水揚げされるトラフグをわざわざ 下関へもって行って、「下関産」として流 通すること事態が間違っているのです。最 近ではフグに続いてハモもブランド化しよ うと大いに盛り上がっているようである。 こうした地産地消の試みは大いに結構で、 地元の人間として大いに応援したいと思い ます。(2004・8・6)

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