アンドレの「デジタルつれづれ草」26段

“いよいよ夏本番がやってきた!”

クマゼミ7月6日の朝、今年のセミの第一声を聞い た。いよいよ梅雨も空けたと言う事でしょ うか。「シャーオ!、シャーオ!、シャー オ!」という、あの、騒々しいクマゼミの 鳴き声です。このクマゼミの騒々しい声を 聞くと、いよいよ夏も本番という感じがし ます。今朝も6時前から賑やかに合唱を始 めました。 セミは木の幹に生みつけられた卵から孵っ た幼虫は、土の中で根から樹液を吸って 4〜7年間過ごし後、地上に出て成虫なる と、僅か1週間で、オスは思いっきり啼い て、メスは卵を産んで子孫を残して、死ん でいきます。 これを「何てはかない一生なんだろう」と 言ってしまうのは、人間の勝手な解釈で、 セミはセミなりに結構楽しい一生を送って いるのかも知れません。土の中の7年間は 外敵も殆どなく、夏の暑さも、冬の寒さも 関係なく、意外と快適な世界なのかもしれ ません。

セミの7年余りの一生と、せいぜい80年か 90年の人間の一生とどちらが幸せかといっ ても、宇宙規模から見たら、どちらもほん の瞬間の出来事でしかありません。丁度先 日の7月7日は七夕様でしたが、我々が今観 察している銀河や星の姿は、百数十億年前 の光りを今見ているのだそうです。地球の 歴史が45億年と言いますから、地球が誕生 する、はるか以前の銀河や星が、見ている 今も存在しているかどうかは、全く保証の 限りではないのです。なぜなら、それは、 百数十億年後でないと分からないからで す。その頃はもう人類は勿論、地球も存在 していないかもしれません。

セミの世界には、子どもの教育問題も、就 職難も、リストラも、年金問題もありませ んから、(セミに聞いてみた訳ではないの で、勝手に思ってはいけませんが、多分無 いと思います)せいぜい朝起きたら、「ど の桜の枝で鳴こうか、「どのメスと一緒に なって自分の子ども生んでもらおうか?」 ・・・くらいが悩みの種ではないでしょう か。 オスの鳴き声に誘引されて近づいたメス は、オスに自分の存在を認識されるまで近 づくと、オスは本鳴きから求愛鳴きに変え て、オスは前足でメスの前翅の先端を数回 軽く叩き、メスが逃げなければ愛を受け入 れるのであるが、時にはメスに拒否される オスもあるようです。どうやらセミの世界 ではメスがオスを選り好みしているようで す。 求愛に成功したオスは、失敗したオスに比 べて鳴き初めからメスが誘引されるまでの 時間が短かった。求愛鳴きに変えてからの 求愛時間が長かった。前足が長かった。鳴 き声が大きかった。・・・・などです。こ んな小さな昆虫にも恋愛の相手を選り好み しているなんて、微笑ましい話です。しか し、メスにひじ鉄砲を食らってしまったオ スは、何しろ一週間しか命が無いのですか ら、可なり焦ってしまいますね。

人間の世界では、日本に於いては、自衛隊 のイラク派遣問題、年金改革問題、拉致被 害者問題で揺れています。丁度11日は参議 院議員選挙の投票日で、この選挙で自民党 の支持がどれだけ得られるかが注目の的で す。セミの世界の悩みとは随分と違いま す。(2004・7・10)

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