アンドレの「デジタルつれづれ草」25段

“オシロイバナはクラブのママだった!?”

オシロイバナ

夕方愛犬の散歩をしていたら、家の前の土 手にオシロイバナが咲き始めていた。「花 の写真は朝一番」を基本にしている私は、 早速翌朝、朝食前にデジカメを持って行っ て見た。しかし、昨日の萎んだ花があるだ けで一つも咲いていなかった。もう終わり なのか、と思って夕方愛犬の散歩に出かけ たら、ちゃんと咲いているではないか。翌 朝もう一度見たら、やはり咲いていない。 お昼過ぎに見てもまだ咲いていない。夕方 見たらちゃんと咲いていた。 不思議に思って植物図鑑を見たら、「オシ ロイバナは夕方4時頃咲くので“夕化粧” とも呼ばれている」。と書いてあった。私 は初めて知った。 黒い種の中身がオシロイのような粉なの で、この名前が付けられた。江戸時代には 実際に顔に塗って使われたようだ。

原産地は南米のメキシコやペルーで、コロ ンブスのアメリカ大陸発見後、ヨーロッパ に渡り、やがて日本にも渡ってきたよう だ。イギリスではこの植物は、1本の木か ら異なった色の花が咲くので、「ペルーの 不思議」とか、夕方咲くので「午後四時」 と言う俗名もあると言う。 花言葉は、花の色が変わりやすいことから 「私は恋を疑う」。夕方ひっそり咲くから 「臆病」などがあるが、臆病どころか、非 常に野生的で繁殖力が強く、土手の隅に芽 を出したかと思っていたら、いつの間にか 逞しい株になっていた。結構あちらこちら の道の片隅にも咲いている。確かに同じ株 からいろいろな色の咲いているオシロイバ ナを見たことがあったが、団地の中のオシ ロイバナはどれも真紅一色である。 オシロイバナは、朝は寝ていて、午後遅く 起きだして、夕方になると美しく化粧をし て、まるでクラブのママのような花だっ た。

ところで真紅の花を接写モードで30枚ぐ らい撮ってみたが、肝心のメインの花に1 枚もピントが合わないという不思議な現象 が起きた。デジカメが故障したか、私の腕 が鈍ったか、他の色の花の写真を撮ってみ たら、ちゃんとピントが合っていた。どう も真紅の色は波長の関係からか、オート フォーカスではピントが合わないのかも知 れない。以前赤いバラの花がどうしても滲 んだように写ってしまうと言っていた知人 がいた。(2004・7・3)

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