アンドレの「デジタルつれづれ草」22段

“たかが折り紙、されど折り紙”

おりがみ

先日アンドレメイトのT・Dさんに、「折 り紙の達人」を紹介されて、佐鳴台にお住 まいのS・Bさんのお宅に取材に行ってき ました。せいぜい鶴の折り紙の少し高級な もの程度に思って訪問して、作品の数々を 拝見して、正直ビックリしてしまいまし た。流石にその道には入れば奥には奥があ るものだと感心してしまいました。 基本的には一枚の四角い紙を山と谷に折る だけの作品ですが、とてもこれが一枚の紙 をただ折っただけとは信じられない作品の 数々を部屋いっぱい広げて見せていただき ました。作品の種類は人形、動物、昆虫、 怪獣、・・・・つまり、ありとあらゆるも のです。「日本折り紙学会」と言うところ が有って、専門誌「折紙探偵団」には世界 中の創作折り紙が紹介され、設計図を元に 折っていくのです。中には200工程も 有って、まる一日中掛かるものもあるそう です。食事を忘れて夢中で折り上げて完成 した時の喜びは何ともいえないそうです。

「折り紙」と言えども創作者は新しい折り 紙の創作を設計図から作っていくのです が、今では工学系の専門知識がないと出来 ないほどの相当レベルの高い世界になって いるようです。“たかが折り紙、されど折 り紙”です。 S・Bさんは6年ほど前、大手スーパーの 文房具店に勤務中、毎日捨てられる包装紙 や色がみなどが勿体無くて、折り紙を折っ ては孫にあげていました。ある時、静岡市 で開催された「折り紙の講習会」に参加し て、すっかりその魅力にとりつかれ、元々 何事にも熱中してしまう性格で、以来ドッ プリ「折り紙」にハマッてしまったと言 う。S・Bさんの折り紙の原点は、捨てら れる運命の包装紙やお菓子の包み紙のたぐ いを利用することです。 今は公民館祭りに出展したり、近くの保育 園児にあげたりしているそうですが、「折 り紙教室で教えたりはしていないのですか ?」と、お尋ねしたら、「人前では揚がっ てしまってそういうことは苦手です」と、 遠慮がちにおっしゃった。もっとも、S・ Bさんの折り紙はレベルが高すぎて着いて こられる人は余りなさそうですが。(2004・6・11)

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