アンドレの「デジタルつれづれ草」19段

“♪夏が来れば思い出す・・・・・♪”

水芭蕉

♪夏が来れば思い出す 遥かな尾瀬 遠い 空・・・・・・ミズバショウの花が咲いて いる 夢見て咲いている水のほとり・・・・・・ ・♪ ご存知、江間章子作詞、中田喜直作曲「夏 の思い出」の一節である。 作曲家の中田喜直は尾瀬に行ったこともな いし、作詞の江間章子とも面識がなかった けれど、NHKに依頼されて、この曲を作 曲した。昭和24年にNHKラジオからこ の曲が流れると、この歌が次第に皆に唄わ れるようになり、尾瀬に登山客が押し寄せ るようになった。やがて昭和30年代に は、尾瀬は観光客によるゴミが散乱し、湿 地は踏み固められ、環境破壊の危機に直面 した。 その後、地元が推進したゴミ持ち帰り運動 は、20年経ってようやく登山客に浸透 し、自動車の乗り入れ規制の効果もあっ て、湿地はやがて美しい姿を取り戻してき た。作曲家の中田喜直も尾瀬行きを果たし たのは作曲から40年経ってからのことで ある。私も残念ながらまだ尾瀬には行った ことは無い。

4月のある休日。朝起きたら天気もいい し、二人ともスケジュールが空いていたの で、「よし!歩きに行くか!」の声が掛 かって、何時もの我が家の「行き当たりばっ 旅」で、早速おにぎりを作って、これまた恒 例の奥三河地方へ、ドライブ兼歩け歩け運 動に出かけた。 稲武町の瑞龍寺の枝垂桜が見頃の頃だった ので、毎年何回もこの前を通るのに見たこ とが無かったので行ってみました。見事な 樹齢360年の枝垂桜が丁度満開で、地元 による桜祭りが開催されていて賑やかでし た。 町のメイン通りの家々の店先には、その家 のお雛様が飾られていて、中には古い土人 形の雛飾りがあったりして観光客を楽しま せていました。町起こしの一環として観光 客誘致の為今年から始めた催しだそうで す。 地元の人の案内で、「近くにミズバショウ の花が咲いているよ」との言葉に、「直ぐ 近くなら行ってみるか」と言う事で見に行 きました。確かに案内の看板がある所まで は直ぐ近くでした。しかしそこに車を止め て矢印の方を歩いていくと、可なり急な山 を登り始めました。行けども行けどもミズ バショウが見えません。

可なり登ったところで帰りの観光客に出会 いました。「ミズバショウは咲いていまし たか」と聞いたら「ええ!咲いていました よ。もう直ぐですよ」との返事で一安心し ました。喘ぎあえぎ15分ほど山を登って やっとたどり着きました。確かにミズバ ショウが咲いていました。地元で観光用に 植えたようで小規模なものでしたが、この 地方では珍しいので目の保養にはなりまし た。 ミズバショウの葉っぱは意外と大きく、そ の葉は芭蕉に似ていて、「水に生える芭 蕉」その名前の言われに納得です。真っ白 な頭巾のよなものは「仏焔ほう」と呼ばれ るもので、ほんとの花は真ん中の柱状のも の。その1本の棒のような花軸に薄緑色の 小さな花を密集して付ける姿がとても愛ら しくて清純で人気の秘密になっています。 しかし、田舎の人の「直ぐそこ」は、我々 都会人?の基準とは随分かけ離れているの で、そのまま信じてしまうと大変です。(2004・5・21)

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