アンドレの「デジタルつれづれ草」14段

“歳を数えるのはもう止めたのに”

4月10日で私も満62歳になった。お陰 で母親より7歳も長生きしています。「6 0歳になったら、もう歳を数えるのは止め よう」と思っていた私だが、つい歳を数え てしまう悲しい習性が人間にはある。自然 界の生き物はみんな自分の年などに縛られ ないで、のびのび生きているのに。 人間は、母親のお腹の中から出てきた瞬 間、生年月日というものが与えられて、こ れが一生涯ついて回る。お宮参り、七五 三、小中高校の入学式、卒業式、就職、結 婚(最近では余り適齢期などは言わないよ うだが)・・・・最後に定年、そして今は お陰で年金をいただいている。・・・・日 本人ほど年齢にこだわる国もないようだ が。

しかし、考えてみると、一つおかしなこと に気がついた。赤ちゃんが生まれた時は、 最初の誕生日が来るまでは0(ゼロ)歳と いう。本来 0(ゼロ)は何もないという意味のはず が、現にこの世に生まれている赤ちゃんに 0歳と言うのは如何にもおかしい。 本来母親の胎内に受精卵が着床した時に、 人間は心臓の鼓動を開始して、およそ28 0日間は、母親の胎内で一人で暮らしなが ら、立派に人間に成長しているのである。 しかるに、この280日間を全く無視して 年齢に加算されずに母親のお腹の中から出 てきた日を堺に、社会通年上の年齢が始ま るのである。 だから、本来生まれた時は既に1歳が本当 なのだ。日本には昔から「数え年」という 考え方があるが、むしろこちらの方が正し いような気もする。そうすれば、もう1年 早く年金がもらえたのに残念。

我が家の愛犬「モモ」は平成7年3月生ま れ、今年9歳だが、人間の年齢にすると5 8歳だそうだ。犬は1年で人間年齢にして 5歳も年を取ってしまう。来年は63歳で 私の年齢と同じになって、再来年は68歳 で私を追い抜いてしまう。 少し前にテレビの番組で何百万人に一人の 奇病で、たった一つの遺伝子の異常によ り、生まれながらにして1年で10歳も歳 を取ってしまう難病があるそうだ。15歳 にして既に肉体年齢は、おばあちゃんの年 齢を追い越してしまっていると言う。世の 中には信じられないほど不運な運命を背 負って生きている子供がいるものだ。

それに比べたら、私なんかは1年で1つ歳 を取るだけなのに、嫌だから数えるのをや めたなんて、もう言わないことにしまし た。歳を取る事も悪い事ばかりではありま せん。子育ても終って会社もリタイヤし て、今では24時間まるまる自分のためだ けに時間を使う事が出来ます。毎日ご飯も 美味しいし、今のところ頭も冴えている し、(それにしては人の名前がなかなか出 てこない時があるけど)お陰で身も心も健 康で楽しい毎日を送っています。これ以上 贅沢を言ってはいけませんね。

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