アンドレの「デジタルつれづれ草」5段

“ふろふきの食べ方”

ふろふき大根

自分の手で、じぶんの一日をつかむ。 新鮮な一日をつかむんだ。 スが入っていない一日だ。 手に持ってゆったりと重い いい大根のような一日がいい。 それから、確かな包丁で 一日をざっくりと厚く切るんだ。 日の皮はくるりと剥いて、 面とりをして、そして一日の 見えない部分に隠し刃をする。 火通りをよくしてやるんだ。 そうして深い鍋に放り込む。 底に夢を敷いておいて、 冷たい水をかぶるくらいに差して、 弱火でコトコト煮込んでゆく。 自分の一日をやわらかに 静かに熱く煮込んでゆくのだ。 こころ寒い時代だからなあ。 自分の手で、 自分の一日をふろふきにして、 熱く香ばしくして食べたいんだ。 熱い鍋でゆづ味噌で ふうふういって。 (長田 弘) 長田弘は1939年福島県生まれの詩人。この 作品は「食卓一期一会」に発表された“ふ ろふきの食べ方”という題の詩。


ふろふき大根は寒い季節にはピッタリです ね。でも、大根特有の苦味が残ってしまう なんて悩み、ありませんか?下ゆでの時に お米のとぎ汁を入れると苦味がなくなるそ うです。直接お米を小さじ1杯くらい入れ ても同じ効果があるそうですよ。 大根の皮を厚めに剥いて面とりをし、器に 盛る時に下になるほうの面に包丁で十文字 の切込みを入れます。いわゆる火通りを良 くするということです。ゆであがったら、 水でさっと洗って、鰹節と昆布のだしで煮 込みましょう。 寒い冬は熱いふろふき大根にゆず味噌を たっぷりかけて、熱燗でキューっと一杯、 ・・・・・体の中から温まりましょう!

ゆず味噌と言えば、昨年、いや、年が明け たから一昨年の秋になるのかな、門前の道 は毎年何回も車で通るのに、思い出したよ うに30数年ぶりに鳳来寺山に夫婦で登って きました。当時まだ8ヶ月の長男を抱い て、頂上まで1,425段の石段を登って以来 です。あの頃は私も若かった。 その鳳来寺山の門前で手作りの漬物や味噌 だれを作って売っている小さな店がありま した。その中の「ゆずみそだれ」が美味し そうだったので買ってきました。案の定、 我が家で田楽おでんなどに掛けて食べたと ころ、結構美味しくて、二人とも気に入っ てしまいました。

また鳳来寺山まで買いに行かないと、と 思っていたところ、同じ商品が、三ヶ日町 佐久米のドライブイン「咲夢茶屋」で見つ けました。以来なくなると、咲夢茶屋へ買 いに行きます。ただし私は何でも美味しく 食べてしまう方なので、食通の方には保証 の限りではありません。 ※参考・・・・「ゆずみそだれ」製作者: 鳳来町坂口屋・丸山ミヤコ・・・・ なんだかお料理教室のようになってしまい ましたが、こんなことを書いた私は料理は 全くダメです。専ら家内の作ってくれる料 理を食べるだけ。インターネットで「ふろ ふき大根」で検索したら、6,290件もヒッ トしてしまいました。世の中便利になった ものです。(2004・2・13)

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