シリーズ“趣味に生きる”

土器ドキしよう!・・・「さなる陶芸クラブ」



陶芸は今や若い女性の間でも静かなブームを呼んでいるそうです。電気窯やガス窯の普及によって陶芸教室や自宅でも手軽に本格的な陶芸作品ができるようになりました。できあがった作品は、例え形が多少いびつでも、世界に一つしかない自分だけのオリジナル作品、愛着もひとしおです。作品は「作る楽しみ」と「使う楽しみ」、また、誰かに「贈る楽しみ」があります。


2010年2月12日の午後、佐鳴台公民館で活動している「さなる陶芸クラブ」の例会にお邪魔して活動風景を拝見させていただきました。午後1時過ぎに三々五々集まって来て、倉庫から大きなべニア板や電動のロクロなど様ざまな道具が運び込まれました。慣れた手つきで手際よく机と椅子を並び替えると、べニア板を机の上にテープで固定して、その上に電動ロクロが置かれました。結構事前準備が大変です。すでに男性が5人、講師も見えて女性も4人ほど見え、遅れてもう1人女性が見えました。会員は現在12名、内女性は5人だそうです。

「さなる陶芸クラブ」は、会長:藤井洋氏を中心に15年ほど前に結成されました。講師は南区に「陶芸工房・陶族之棲」を主宰する天野芳雄氏。朝日現代クラフト展、第一回益子陶芸展入選、浜松市長大賞を受賞するなど活躍中の陶芸作家です。材料の粘土は講師が準備してくれる。みんなそれぞれの机で思い思いの作品を作っている。お皿を作っている人、器を作る人、ある人は人形、カエルの置物などさまざまです。

子供の頃は誰でも泥んこ遊びや粘土細工遊びを経験している。基本的に誰でも土をこねて何かを作る行為は楽しいものです。とは言え、何事も基本が大切。陶芸はまず土練りに始まって、成形、乾燥、素焼き、施釉、本焼き、完成と、さまざまな工程があり、それぞれの工程にはそれぞれの基本があります。成形には「手びねり」「タタラ」「ロクロ」があるのも知りました。「手びねり」は字のごとくロクロを使わないで手だけで成形していく、もっとも簡単な方法です。「タタラ」は粘土を板状にして各部品ごとに切り、組み立てていく方法です。それぞれに味わいの違った作品が生まれます。

誰もが挑戦したいのは「ロクロ」でしょう。左右対称な円錐形の器を作るのにいちばん適した方法です。しかし一番難しいのもロクロ成形のようです。指先の微妙な手加減で形が変化してしまい、なかなか思うようにいかないようです。水を付け過ぎて粘土の腰がなくなり形が崩れてしまう場面もありました。特に器の厚さを薄く均一にするのは初心者には至難の技のようです。時々講師に「もたもたしないで、もっと思い切って・・・」と盛んに指導されていました。何事も失敗を恐れずに数をこなして行くうちに上達していきます。

成形が出来あがった作品は教室では焼くことができないので、講師の工房の窯で焼いています。3月26日の例会日に再びお邪魔して、出来あがったそれぞれの自慢の作品を拝見させていただき、写真に撮ってページに飾らせていただきました。釉薬をかけて色を付けて焼くと、土色だった作品が見事な作品に仕上がっています。それぞれ個性があって面白いものです。器も飾り物もみんな生活の中で立派に役に立つものばかりです。

「さなる陶芸クラブ」は、基本的に型にはまらないで、会員の自由な発想で自由な作品を自由気ままに制作するという、あくまで「陶芸を楽しむ」ことを目的としている。・・・・・そんな印象を受けました。趣味はまず「楽しむ」ことが一番大切だと思います。皆さんもぜひ挑戦してみませんか。(2010・3・26)


「さなる陶芸クラブ」の活動は、原則毎月第2、第4金曜日(午後1:00〜4:00)、佐鳴台公民館2階講座室。
入会希望者はいつでも大歓迎だそうです。例会日に是非遊びに行ってください。

講師のホームページ「陶芸工房・陶族之棲」はこちらをご覧ください。


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