シリーズ“趣味に生きる”

〔油彩画の個展に挑戦〕:犬塚一雄さん

(※犬塚一雄さんは平成17年12月5日ご病気により永眠されました。心よりご冥福をお祈り申し上げます。遺作となりました素晴しい作品は、ご遺族のご好意により、引き続き今しばらく掲載をさせていただきます)


犬塚さんの代表作品:第60回創元展(2001年)柏賞受賞作「尻屋埼初冬」
青森県下北半島、尻屋崎(F80号)


佐鳴台5丁目にお住まいの犬塚さんが絵を始めたのは60歳になってからだという。月並みに定年後に何を始めようかいろいろ迷ったそうだ。木彫りのクラフトをやってみたり、釣りをも考えたけれど、年齢を重ねても出来る物をと、本格的に描いたことは無かったけれど若い時から好きだった絵を描く事にした。絵を描くのなら基本からしっかり勉強しようと、服部譲司先生に師事を仰ぎ油彩画を勉強した。 早くも今年で10年、努力と才能が開花して、数々の賞を受賞するほどの素晴しい活躍ぶりである。

犬塚さんの絵は一貫して「岬と灯台」のテーマが多い。「どうしてですか?」と尋ねたら、若い頃よく行った伊良湖岬の思い出があったり、日本は島国で岬が多いこと、岬には必ず灯台があって、そんな灯台も今は無人化されて時代を感じていること、余り他の人が描いていないこと・・・・などの理由で自分のテーマにしているという。

岬は全て地の果てである。北海道の地の果にも何度も足を運んでは数々の岬と灯台を描いている。現地で葉書大のスケッチと写真を撮ってきて、自宅に帰って作品の制作に取り掛かる。大きな作品は3ヶ月から6ヶ月も掛かる。 絵を始めて10年になる犬塚さんは今年古希を迎えてのダブル記念に、今まで描き溜めた数々の岬の作品を展示し個展を開催した。とても今年古希には見えない若々しい犬塚さんの今後の益々のご活躍を期待したい。

(※作品の画像は著作権を放棄していません。無断でのコピーはご遠慮ください。)


去る2004年9月7日〜12日、「岬を描く」と題して、クリエート浜松で初の個展を開催した。 ご本人もビックリするほどの予想以上の大盛況だった。岬だけをテーマとするなど、個性的なところが良かったようだ。私も4日目に会場にお邪魔したが、鑑賞者が次から次と絶えることがなかった。鑑賞者のいろいろな意見や感想は自分の気がつかないことが多く、とても参考になったという。 これからの犬塚さんの絵が一段と磨きが掛かるに違いない。

「湯佛岬浅春」(とうぶつみさきせんしゅん)

北海道根室霧多布、湯沸岬(F80号)

「灯台への道」

北海道網走能取岬(のとろみさき)(F80号)

「神威岬浅春」(かむいみさきせんしゅん)

北海道積丹半島、神威岬(F50号)

「潮騒」

愛知県伊良湖岬(F50号)

「津崎早春」

長崎県津崎(P10号)

「斑鳩早春」

奈良県斑鳩、法起寺三重塔(F6号)

「能取岬初秋」

北海道網走、能取岬(P10号)

「尻屋埼初冬」

青森県下北半島尻屋埼(F6号)



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