アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.89

“電力自由化”

平成28年度より新しく世の中の仕組みが変わったことの一つに「電力の自由化」がある。一般家庭も自由に電力販売業者を選択できるということだ。「8兆円市場の開放」「260社が新規参入」「消費者の選択肢の拡大」などとうたって始まったが、肝心の消費者の反応は今ひとつだそうだ。仕組みそのものが分かりにくく、ほかの商品と違って目に見えるものではないので実感がわかない。

もともと電気は地元を独占する電力会社から送られてくる電気を使った分の料金だけ支払ってきただけで、電気が自由に選べる商品という感覚がない。食品なら生産地はどこか、添加物が入っていないかなどが表示され結構気にして買っているが、電気の原産地は原発か水力発電か火力発電か太陽光発電かなどを気にしないが、ヨーロッパではすでに電源の表示が義務付けられているという。日本でもこれからは、こうした電力の電源が表示され選択できるようになるかもしれないということだ。しかし、食品と違って電気の質には変わりがないのでどうなのか。

今のところ中部9県では24事業者が電力販売に参入している。ガス会社、携帯電話会社、住宅会社などさまざま。ガスとセットでの割引やポイント優遇などをうたっているが、どれも決定的な魅力はない。2人家族では使う電力は微々たるもので恩恵は少ない。契約を変えるのが面倒なだけだと今は思っている。(2016.4.5)

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