アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.84

“似顔絵”

どうかな、似てるかな?これが私の顔です。エラが張っているところなんかよく特徴を捉えています。さすがはプロです。秋は公民館祭りが盛んに開催されます。恒例の公民館祭りでコンサートが開催され、10年以上つづいている私の所属するアンサンブルの演奏があり準備のため少し早めに会場に着いて各部屋の作品展示を覗いていたら、和室で似顔絵のコーナーがありました。もう既に絵描きさんが座って準備をしていました。「あなたの似顔絵が5〜6分で描けます。¥300」と張り紙がしてありました。「余り時間がないけど5〜6分だったら描いてもらおうかな、しかも¥300は安い」と部屋に上がりました。

「余り時間がないけど描いてもらえますか」と声を掛けました。「公民館で開始は1時からと言われているけど」と真面目そうな絵描きさんがためらっているので、「じゃあ練習ということでお願いします」ということで、開始時間15分前に描いてもらうことにしました。絵描きさんと向き合って座ると、盛んに私の顔の特徴を捉えようと真剣な表情で私の顔を見つめながら色紙に細い筆、太い筆を交互に取り換えながら描いています。「この公民館での似顔絵コーナーは初めてですよね」と私は話しかけました。「ええ、いつもは社会保険センターで似顔絵講座をやっているんですけどね、今年この公民館で似顔絵講座をやったのが縁で来ました」

口はしゃべっていても手は一生懸命絵を描いている。「5〜6分で特徴を捉えて描いちゃうなんて、さすがプロですねえ。女性は美人に描いてね、なんて言われませんか?」「そうなんですよ。目もとパッチリ、だんごっ鼻もスッキリ可愛く描いてね」と言われて描いてあげると、「あら!余り似ていないわねえ」なんて言われて、「だってあなたがそう描いてとおっしゃったじゃないですか」・・・なんてこともあるそうです。そんな話をしているうちに、ほんとに5〜6分で描きあがりました。特徴を良くとらえて上手く描けていると満足しています。いつか自分の似顔絵を描いて欲しいと思っていましたが、思わぬところで実現しました。名刺に入れたりして使おうと思います。(2013・10・26)

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