アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.81

“与えられた境遇でベストを尽くす”

人間は生まれる境遇を自分では選べない。緑豊かな国に生まれる人もいればに砂漠の国に生まれる人もいる。金持ちの家庭に生まれる人もいれば貧しい家庭に生まれる人もいる。しかし、人間はその後の努力と才能と運によって人生を変えることができる。まあ私も、才能はないけれどそれなりには努力し、望み通りとはいかないまでも、平凡ではあったがそれなりに恥ずかしくない人生を生きてきたつもりだ。

ちょうど今ごろウォーキングに出かけると、いたるところでタンポポの花が満開である。雑草の花の代表であるタンポポは、綿毛の種が風に吹かれて着床したところで芽を出して、新しいタンポポの一生が始まる。雑草は自分では歩くことができない。それが道端の敷石の間であろうとブロックの割れ目であろうとである。

道端の敷石の間で芽を出したタンポポは、日中は太陽に照らされ水分もなくなり、敷石の温度が50度にも熱くなることがある。かと思えば大雨が降り風に吹かれ、時には人間に踏まれて・・・そんな過酷な環境の中をじっと耐えなければならない。そんな境遇の中でも精一杯花を咲かせて綿毛の種を実らせ、子孫を残すために精一杯頑張っているのである。ウォーキングしてタンポポの花を見ていたら、つい人生論めいた話が頭をよぎってしまった。

今年の桜は1週間から10日も早く満開になってしまって、しかも4月6日、7日の台風並みの爆弾低気圧が日本列島を通過して満開の桜が散ってしまった。この日はちょうど4月初めの土日で、各地で桜祭りや春祭りが開催されたが、天気が大荒れで大変だったようだ。8日には各地の小中学校の入学式が行われたが、桜の花はだいぶ散ってしまった。今年小学校に入学した東京の孫は入学式でしっかりできたのだろうか。さて、人生あと何回満開の桜を見ることができるだろうか。今日は私の71歳の誕生日である。(2013・4・10)

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