アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.76

“新緑が突然紅葉に!?”

6月19日夕方から20日の明け方にやってきた台風4号は、明け方まで吹き荒れて通り過ぎて行った。朝起きて外を見てみたら、家庭菜園のキュウリやトマトがぐちゃぐちゃに倒れていた。「こんな程度で済んでよかったか」と思って家の周りを片づけた。玄関まわりは、何処から飛んできたのか、結構大きな樹木の枝が転がっていた。木の葉がどっさり吹き溜まり状態で片づけるのが大変だった。いつものことながら台風一過は仕方がない。・・・とその日は思っていた。みんなに聞いたら停電があって大変だったらしい。「おかげでわが家は停電しなかったよ」・・・と思っていたが、後で気が付いたのだが、電化製品のタイマーの時計が点滅状態になっていた。我が家では寝ている間に停電して、朝起きる前には復旧していたので気付かなかっただけなのだ。

2日後に佐鳴湖公園に行ったら大きな樹木が何本か根こそぎ倒れたり、太い枝がポッキリ折れたり、結構大きな被害であった。雨も結構降ったようで、岸辺の遊歩道は川から流れた草や樹木の瓦礫で埋まって歩けない状態だった。桜の若い葉っぱが茶色というより黒く枯れてちじれてしまっていた。台風の塩風でやられたのだ。新芽が出たばかりの大きなメタセコイヤの新緑が黄色く紅葉したようになっていた。紅葉ならいいがどの葉っぱも熱風乾燥されたような状態である。樹木によって塩害に強いのと弱いのがあるようだ。新緑の中に紅葉がある不思議な光景だ。遊歩道には枯葉がいっぱい落ちていて、歩いていくとガサゴソと音をたてて、まるでいきなり晩秋の趣である。1週間後にもう一度公園にいったら、倒木や折れた枝は片づけられて、刻まれた倒木や枝がところどころに積まれてあった。

わが家のサルスベルの木も、もう少しで花が咲くところだったが新芽の先端が塩害で枯れてしまった。仕方がないので枝を半分切り戻して新しい芽が伸びるのを持つしかない。家の前の土手の桜の葉っぱが枯れてしまったので、毎朝玄関前の枯葉の掃除が日課になってしまった。晩秋の日課が半年も早くやってきてしまった。街の街路樹も枯葉が目立つ。6月に台風が上陸するのも想定外だが、台風の塩害がこんなにひどいのは初めてである。しかも入梅時にしては朝夕の気温が低くて涼しいくらいである。と思ったら、何と北海道では連日30度を超す猛暑になっているという。昨年の東日本大震災から自然災害の想定外が続いている。千葉や神奈川の海岸ではイワシが大量に打ち上げられ死んでいたという。「海底の地殻変動の影響では…、大地震の予兆では…」とささやかれているとか。(2012・6・28)

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