アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.52

“2009年の年の瀬”

とうとう2009年も年の瀬がやってきてしまいました。いつものことながら“あっ!という間”の1年間でした。クリスマスイルミネーションで有名な西区の某民家は今年も相変わらず光り輝やいていましたが、昨年のアメリカのリーマンショックの後遺症が続いて、リストラ、派遣切り、学生の就職難など、世間では景気の悪い話ばかりが続いています。しかもモノの値段がどんどん安くなっていくデフレ現象が進行して、給料もボーナスも下がり、モノが売れないから更にモノの値段が下がる悪循環に陥るデフレスパイラルの兆候にあると専門家も発表している。

先日ある仲間の忘年会に参加して街の中心街に行きました。いつもの年なら忘年会シーズンで結構街中が賑わうはずなのにさほどでもなく、以前なら商店街のあちこちから聞こえてきたジングルベルの賑やかなメロディが今年はほとんど聞こえてきませんでした。最もここ数年、クリスマスも街中は浮かれたムードはしなくなっています。街の中のブルーのイルミネーションが余計に寒々と感じてしまいました。しかも街の中心にある某百貨店の大きなビルは、2001年に倒産して8年が経過するも未だに再開発の目途が立たず、シャッターが下りたまま暗闇に包まれているのは異様な光景です。

年末恒例の今年の漢字は、意外にも明るいイメージを想像する「新」でした、しかし、どうやら「新しい」という明るいイメージの「新」ではなく、新型インフルエンザの流行、自民党の大敗、民主党の圧勝による鳩山新政権発足をイメージしての「新」のようです。長く続き過ぎた自民党の最近の不甲斐ない政治に、「ここらで日本を変えないと」という国民の思いが、夏の衆議院選挙で見事に表れてしまいました。民主党政権が国民の期待にどれだけ応えられるか疑問だが、やらせてみなければ分からない。自民党に反省させるには良い機会だと思う。やはり初めての民主党の政治も問題山積だが、長年の自民党政権による膿やゴミを掃除するには、そう簡単でないのは仕方がない。

年末になると恒例の「今年の10大ニュース」が発表になりますが、まだ発表になっていません。私なりに記憶にある国内外のニュースを思い出してみると、政治・社会ではやはり「米国で初めての黒人大統領、オバマ新政権の誕生」と、日本の「自民党惨敗、民主党圧勝による政権交代」でしょう。どちらも国民の現政権にチェンジを求めた結果でした。メキシコの豚インフルエンザに始まった「新型インフルエンザの世界規模の大流行」、「イギリス人女性殺人容疑で整形逃亡中の市橋容疑者逮捕」にも驚きました。芸能では「マイケルジャクソンさん50歳で急死」「森繁久弥さん96歳が老衰で死亡」「酒井法子の覚せい剤事件」もメディアを騒がせました。暗いニュースが多い中、スポーツでは「ゴルフの石川遼選手が18歳史上最年少賞金王」は見事というほかない。「侍ジャパンのWBC連覇」「イチローのメジャー初9年連続200安打達成」「松井秀喜の日本人初、ワールドシリーズMVP」も見事でした。「水泳の古橋広之進さんがローマで急死」は残念でした。まだまだ挙げればきりがない。

10大ニュースとは別に今年の流行語というのも発表されます。今年は「エコ」「婚活」「草食男子」などが毎日のようにテレビや新聞などで飛び交っています。最近はやたらとエコ流行りで、「エコ」も本来の本質的な意味から離れ、単なる言葉遊び的な感じで簡単に使われている気がします。最近は結婚感も様変わりして結婚適齢期なるものもなくなっています。そういえば一人の独身女性の周りで結構いい年齢の独身男性が次々と殺されるという不可解な事件が複数、メディアを騒がせました。

振り返って我が家の大ニュースといえば、何といっても6月に4人目の女の子の孫が誕生したことでしょう。これでとうとう8歳を筆頭に、5歳、3歳、0歳の2男、2女の4人の孫のお爺ちゃんになってしまいました。友達の中には、「まだ息子に嫁さんがいなくて」、「娘が全然結婚する気がなくて困ったもんだ」と嘆いているのに比べて、お陰でしあわせだと思う。その孫たちが半年ぶりに年末にやってくるのを心待ちにしてソワソワしているのもいいものだ。(2009・12・25)

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