アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.41

“遂に早くもスギ花粉の嵐が”

スギ花粉

2月14日、日本列島は北海道付近の低気圧に向かって南からの暖気が流れ込み、全国的に気温が上昇、3月から7月並みの暖かさとなった。清水では26.8度Cを記録。観測史上2月に25度を超える夏日を観測したのは初めてだそうだ。浜松でも25度以上あった。コートどころか、上着を着ていても暑かった。例年なら2月13日前後は、冬の中でも一番寒い時期なのにだ。地球温暖化のレベルを超えてしまった感じさえする。福島県では湖のワカサギ釣りに行った男性二人が氷が割れて水死した。きっと毎年この時期に釣りに来ていたので、いつもの通りと安心していたのだろう。最近はあらゆることに過去の常識が通用しなくなってきているから気をつけないといけない。

14日に続いて15日も暖かな日だった。朝、少し目がむず痒くなった。昼過ぎから鼻水とくしゃみが出始めた。いよいよ早くも花粉症にやられたようだ。今年は夏の猛暑の影響で昨年の2倍以上の花粉が飛ぶという。私の花粉症歴は30年のベテランだ。最近は花粉症の症状も昔より軽くなってきたと安心していたが、この分だと例年以上に苦しみそうである。世間では経済不況の波が吹き荒れているが、いよいよ強烈なスギ花粉の嵐も吹き荒れ始めた。車は売れなくて困っているが、花粉症対策グッズの薬やマスクなどは売れに売れて品切れ状態だそうだ。街の中は急にマスクの人が多くなった。バスの中の乗客の隣も後ろもクション、クションとやっていた。

花粉症などのアレルギー性鼻炎は、鼻の粘膜にアレルギーの原因になる異物(花粉症)が接触して、これを排除しようとしてヒスタミンが過剰に分泌されて起こるらしいが、完全な治療薬はなく、ただ症状を抑える、抗ヒスタミン薬を服用する。シーズンになると馴染みの行きつけの病院から抗ヒスタミン薬を買い置きして、症状が重い時は仕方がなく飲む。ところが、この薬は速効性が高くよく効くが、副作用も強いので出来るだけ飲むのを控えている。抗ヒスタミン薬は鼻の粘膜だけでなく、脳を活発にする脳内ヒスタミンの働きも抑制し、脳の働きを低下させてしまうのだ。

確かにこの薬を飲むと、鼻水は見事に止まるが、一日中頭がボケーっとしている。思考力が落ち、車の運転にも影響があるという。仕事で車の運転をする人や、ちょうど受験シーズンと重なるので、受験生にも影響が大きい。知らないうちに集中力や判断力が落ちて、仕事や勉強に影響する。今や3,7人に1人は花粉症患者だそうだ。労働生産性低下の損失額は約2千4百億円にもなる、と計算した人がいる。そうは言っても、毎日鼻水をズルズル出していては、仕事や勉強が手が付かないし、毎年のことながら困ったものである。

そんな事を書いているうちに、明日の日中の最高気温が9度、最低気温がマイナス1度の真冬に戻る、とテレビの天気予報が伝えている。一気に15度以上の急降下である。まるで遊園地のジェットコースターに乗ったような気分で目が回りそうだ。花粉症どころか、風邪をひかないように気をつけないといけない。(2009・2・16)

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