アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.35

“梅雨明け宣言”

今年のクマゼミの第一声を聞いたのは7月14日だった。昨年は19日だったから5日早い。しかし、その後2日ほど聞こえなくなって、第二声を聞いたのは17日だった。本格的に蝉の合唱が始まったのは,やはり19日だ。この日、気象庁は、「関東、東海、北陸、東北の広範囲に亘り梅雨明けしたようだ」、と発表した。クマゼミが鳴き始めると梅雨明けである。7月14日の第一声は、遠くで一匹か二匹のあわて者のクマゼミだったが、梅雨明けが間近だったことには間違いなかった。蝉の方が気象庁よりも正確である。気象庁も「・・・・・梅雨明けしたようだ。」と自信なさそうに発表しないで、「クマゼミの第一声を確認したので梅雨明けを宣言します」と、自信を持って宣言してほしいものである。

この時期、日本では毎年必ず梅雨が来るのも自然の不思議さを感じる。範囲も北海道と小笠原諸島を除いた日本と、朝鮮半島南部、中国の華南、華中の沿岸部、及び台湾など、東アジアの帯状の一帯である。梅雨の時期になると、性質の異なる4つの大きな気団(揚子江気団、オホーツク海気団、熱帯モンスーン気団、小笠原気団)がせめぎ合い、衝突した部分に大きな梅雨前線というのができて、1〜2か月に渡って前線付近で雨が降り続く現象という。専門的なことはよく分からないがそう言うことらしい。ちなみに、今年の梅雨入りは一番早い沖縄が5月22日、東海地方は6月2日頃だった。

梅雨明け直前は雨量が増え、豪雨になりやすいということだが、東海地方は7月に入ってからほとんど雨が降らなずに毎日30度を超す猛暑日が続いている。朝6時前からクマゼミの大合唱が始まり、網戸の窓から耳をつんざくように聞こえてくるので、もう寝てはいられない。5時に起きては、せっせとエッセイを書いたりしている。起きると朝晩の庭の水やりが大変である。そろそろ雨が恋しくなった。7月24日は土用の丑の日ということで、やはり我が家も 世間の常識に習ってウナギを食べることにした。

今年はウナギの産地偽装問題が世間を騒がせて、みんな「国内産」しか買ってはいけないということになって、スーパーでは「国内産」のウナギがたくさん並んだようだが、ほんとは「国内産」は2割しか流通していないはずなのに、8割以上が「国内産」と表示して売っているのはおかしい、とテレビで言っていた。ウナギのほとんどは外国で育てて、日本の池に戻して、1日でも日本の池にいた日が長ければ「国内産」と表示していいのだそうだ。ほんとのことはよく分からない。我が家では浜名湖漁協直売店で直接買ってきたので、間違いなく「国内産」であろう。美味しく頂いてスタミナをつけたので今年の猛暑も乗り切れそうである。(2008・7・25)

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