アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.34

“地球温暖化を考える”

地球

我々が住んでいる地球が出来上がったのは46億年前、青い海と緑の大地、そしてクリーンな大気だった。やがて生命が誕生し進化し続けてきた地球。そのかけがえのない地球を人間は破壊しつづけている。いわゆる環境問題の一つが「地球温暖化現象」である。石油や石炭などの化石燃料の燃焼によって排出される二酸化炭素(CO2)は、本来は植物が酸素を作り出すためや、地球の熱を宇宙に逃がさないために必要な気体ですが、その地球から熱を逃がさない効果があだとなり、二酸化炭素濃度がどんどん増えつづけ、地球全体が温室に入っているような状態になっている。このような効果の元が二酸化炭素とフロンといった気体である。昔、地球にオゾン層がなかった時代、太陽からの紫外線が地上に降り注ぎ、生物は生存できませんでした。その後オゾン層が出来て紫外線がカットされるようになって生命が誕生し、現在のような地球になりました。そして今、地球を紫外線から守ってくれるオゾン層が人間の手によって破壊され、生命誕生以前の地球になろうとしています。

特に都会では巨大なビルや家が密集し、車も大量に走っているため、自ずと二酸化炭素が増えつづけています。道路はコンクリートで覆われ、ビルからはエアコンの熱が大量に放出され、都市部では気温が上昇しています。東京は100年で5度も気温が上がっているそうです。人間にとって気温が1度や2度上がったり下がったりしても大して生活に困ることはないが、植物や生物にとってはとても重要なことです。1度違えば高度100m、気温が3度上がると高度2000mで育っていた植物は2300mでないと育たなくなる。気温が1度上がると緯度で100km下がったと同じです。完全に地球の生態系が変わります。二酸化炭素が0.5%上昇すると人間は意識不明に陥り、25%以上の濃度になると、数時間のうちに生きていけなくなります。

地球温暖化を防ぐには二酸化炭素などの温室効果ガスの排出量を減らさなければなりませんが、世界規模の問題であるため、一人ひとりの認識が大切であるにもかかわらず、真剣に考えている人は少ないのが現状です。二酸化炭素を排出することで我々の生活を豊かにしているので、生活レベルの考え方も根本的に考え直す必要があります。エアコンの温度を下げる、テレビも見たい番組だけにする、照明をこまめに消す、電気製品の待機電力をカットする、風呂の湯量を減らす、近いところは車を使わず歩く、そんな小さな積み重ねが地球温暖化を防ぐのです。もっと分かりやすく言うなら60年前の生活に戻せばいいのです。テレビはまだ一般家庭では普及していないので、家では夏は縁側でうちわをあおぎながらラジオを聴く。スイカを食べたくなったら自転車で町内の八百屋へ買いに行く。風呂は近くの銭湯へ行く。もちろんパソコンなどないから、エッセイを書きたくなったら鉛筆をなめなめ大学ノートに書く。・・・・・などは、とても今さら無理な話で、便利さに慣らされた現代人は、昔に戻るなどは到底無理な話です。。

咋年の夏は異常な暑さでしたが、今年も暑くなりそうです。人間は服で調節できるのでまだいいのですが、動植物は器用な衣替えはできません。ウミガメは砂浜で産卵しますが、砂の中の温度が29度より高いと生まれる子はメスに、低ければオスに偏るそうです。温暖化は雌雄のバランスをも崩すのです。実際に渥美半島でのウミガメの研究によると、冷夏の年は全てオスで、次の猛暑の時は全てメスだったといいます。植物の花などを見ていても、春咲く花が秋に又咲いたりすることがあります。近年地球の至る所で異常気象が見られます。北極の氷がどんどん解け続けているそうです。アメリカでは竜巻の被害が増加しています。集中豪雨が世界のいたるところで発生しているかと思えば、干ばつで苦しんでいる国があります。大陸では緑がどんどん消えて砂漠化が広がっています。中国の大地震、ミヤンマーのサイクロンの大きな被害も地球温暖化と関係があるかも知れません。

時あたかも7月7日の七夕の日から9日までの3日間、世界の先進国首脳が一同に会して北海道洞爺湖サミット(G8)が開催され、地球温暖化が最大のテーマとして話し合われましたが、それぞれの国の事情と思惑が噛み合わず、とりあえず温室効果ガスを「2050年までに半減する」ことを世界の共通の目標とする。という、曖昧な表現で終わってしまったようです。大国・小国、先進国・後進国が共に一致協力して地球温暖化に取り組まないと効果は期待できません。実現には困難を極めます。一つ言えることは、1日も早い化石燃料に頼らない代替えエネルギーの開発と実用化の実現がポイントだということです。そうしないと、やがて「動物界・脊椎動物門・哺乳鋼・霊長目・ヒト科・ヒト属・ホモサピエンス」も絶滅危惧種にリストアップされる日が来るということです。(2008・7・12)

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