アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.24

“2007年も間もなく暮れていく”

早いもので2007年もあと1週間で暮れようとしている。街中はいたるところイルミネーションが輝いて、居酒屋はどこも忘年会の客でいっぱいだった。今年もいろいろなグループの忘年会に参加して、駅前の居酒屋や料理屋に何度か足を運んだ。いつもは夜9時を過ぎると閑散としてしまう駅前も、さすがに年末は夜遅くまでにぎやかだった。忘年会の帰りにアクトの屋上から夜の街を眺めたら遠くに冬の蛍が輝いていて美しかった。我が家のある団地でも、毎年クリスマスが近づくころから豪華なイルミネーションの輝く有名な邸宅がある。今年も見事に輝いて見物客が多数やって来た。

年末恒例の新語・流行語大賞が発表され、大賞は宮崎県知事の「どげんかせんといかん」とアマチュアゴルファー石川遼選手の「ハニカミ王子」だった。そして2007年の世相を漢字一文字で表す今年の漢字は「偽」に決まり、12月12日に京都の清水寺で森清範貫主により揮ごうされた。不二家、白い恋人、赤福、大阪吉兆など、食品偽装が次々と発覚し世間を騒がせたり、年金問題など政官の国民に対する偽りなど、今年の世相を反映した漢字としては、”さもありなん”と思う。”己の利ばかり望む人が増え、こうした字が選ばれたのは実に嘆かわしい。来年は良い字が書けますように”と森清範貫主は語ったが、誠に同感である。

今年の読売新聞が発表した「2007年国内の10大ニュース」は、1位が阿部首相の突然の退陣、これには正直みんなびっくりした。2位は「不二家」に次ぐ「赤福」など一連の消費期限偽装の発覚、3位は年金記録漏れ5000万件、4位は参院選で自民が歴史的敗北、5位守屋前防衛事務次官の収賄容疑、以下省略・・・・・だった。そして今年も各界の有名人が亡くなられた。高度成長期を代表するコメディアンの植木等さん、数々のヒット曲を産んだ作詞家の阿久悠さん、「神様、仏様、稲尾様」の鉄腕投手、稲尾和久さん、臨床心理学者の河合準雄さんが亡くなられたのもびっくりした。心の問題で河合さんの話は好きだったのに残念だった。人間は誰でもいつかは必ず死ぬんだなあ、と、当たり前だが思ってしまう。

さて、我が家の今年の10大ニュースと言っても10もありませんが、何と言ってもトップは2月8日に愛犬のモモが癌で突然亡くなったことでしょう。奇遇にも同じ日のほぼ同じ時刻に兎のルナオもなくなりました。この話は「青春日和」No.3に書きました。そういえば家族同然のモモとルナオが亡くなったので、本当は喪中欠礼のハガキを出さないといけなかったのをうっかり忘れて、いつもの年末行事で年賀状を書いて発送してしまいました。モモとルナオには申し訳ないことをしてしまいました、ごめんなさい。ニュースの2つ目は自分自身が社会的に高齢者といわれる満65歳になったことです。3月末で会社勤めも完全にリタイアし、名実ともに「サンデイ毎日」になりました。世間でゴールデンウイークとか3連休とかいっても「おらそんなのかんけーねー!」ようになってしまったのは何ともさびしい気がします。

サンデイ毎日になって一番大切なことは「自己管理」ではないでしょうか。これがしっかりできないと今後20数年以上もあるリタイア後の黄金期の人生がメリハリのない、ただ長生きしただけの意味のないものになってしまう。朝何時に起きても会社に遅刻するわけではない。ひげを剃り忘れても失礼になるお客に会うわけではない。今日どうしてもやらなくてはいけない仕事があるわけではない。毎日自由時間になれば、いままで出来なかったことがいつでも思う存分できる、・・・と思ってしまうが、意外とそうではないことを思い知らされる。今日は暑いから明日にしよう、風が強いから、寒いから、雨だから家でのんびりしよう、・・・などと、つい何かと理由をつけて先延ばししがちである。一度楽な生活に慣れてしまうと無理をしてまでしないものだ。

現役時代はそうではなかった。例えば好きな撮影旅行に行こうと計画する。数少ない自由になる休日を何とか有意義に過ごそうと、何日も前から旅行先を選定して出発の時間から所要時間、撮影ポイントを調べたり綿密な計画を立てて、少しばかり天候が悪くても当日が来れば決行したものだ。夜中に出発して早朝目的地に到着して日の出を待つ、などはよくやったものだ。連日9時過ぎに職場から帰宅するような毎日が続いても、好きな音楽活動は続けていた。忙しい時のほうが少ない時間を有効に使って充実していたような気がする。

毎日が日曜日になって、自由時間が有り余っている。現役時代に比べたら夢のような毎日だ。有り余った自由時間を有効にも無効にもするのは誰でもない、自分自身なのだ。貧乏性なのか、何も予定のない日にぶらぶらと無駄に一日を過ごしてしまうと何か損をしてしまったような不安な気持ちになってしまう。何でもいいから・・・「今日はこれをやったぞ」・・・という満足感が毎日ほしいのだ。来年はもう少し具体的な計画を立てて自己管理をしっかりと、悔いのない毎日を送りたいものだ。・・・・”ふと!”そんな反省をしてしまった。(2007・12・24)

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