アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.11

“悩ましき哉!タコ・魚の目”

足
汚い足をすみません

いつの頃からか右足の親指の外側と小指の外側に魚の目ができ初めて、もうかれこれ30年以上も“魚の目”と付き合っている。そうそう左足の小指にも出来ています。時々風呂上りにカミソリで削り取ったりする。深く削りすぎて血が出たりする。それでもまた、いつの間にか皮膚が硬く厚くなっている。削っても削ってもである。魚の目のところを家具や敷居にぶつけると飛び上がるほど痛い。魚の目は足の特定の部分に毎日継続的に圧力が加わると、からだの防御反応として、つまりその部分を攻撃から守ろうとして皮膚を厚くしていく現象である。よく耳にする「角質」はその部分の皮膚細胞が死んだ「カス」のことで、その角質が硬くなった状態が「タコ」である。更に圧力が掛かり続けて角質層の下に「芯」が出来てしまうのが「魚の目」である。魚の目は角質化した部分の中央に芯(核)が出来て、皮膚の奥深く入り込み神経を刺激するので痛みを感じるようになる。

特定の場所に圧力、衝撃が加わる原因は、(1)足の横アーチが低下した状態で舗装道路を歩くこと。(2)歩き方のゆがみにより、足の内側または外側に過度な体重をかけていること。(3)足と靴のフィッティングが悪く、継続的に摩擦を生んでいること。(4)薄いソールのパンプス、サンダル、ミュールを履いて舗装道路を歩くこと。(5)ヒールの高い靴で前足部に過度な体重をかけていること。・・・・・だそうである。タコや魚の目を削り取ることは一時的な対処療法に過ぎず、いくら削っても原因がなくならない限りなくならない。それどころか、かえって皮膚を守ろうとする防御反応が強くなって、ますますタコや魚の目を硬くしてしまうだけだという。ならばどうすれば良いのか。基本的には原因となる特定部分への過度な圧力を排除することである。(1)タコ・魚の目の部分を特殊な衝撃吸収材で保護する。(2)靴の選び方の改善により、タコ・魚の目の部分への圧力を軽減する。(3)開張足にはテーピングにより、足裏中央への過度な圧力を軽減する。(4)立ち姿勢、歩き方の改善により、タコ・魚の目の部分への圧力を軽減する。(5)ヒールの高い靴で前足部に過度な体重をかけない。・・・・・これらを徹底して実行し様子を見ること。それでもダメなら皮膚科の病院で外科的施術を相談してください。・・・・・と、ネットで調べたら書いてあった。勿論魚の目が取れる薬剤が添付された絆創膏タイプも試したが、一時的な効果でしかなかった。

足の魚の目に悩まされている人の多くは靴の選び方が間違っている場合が多いそうだ。選ぶ時の条件はスタイルよりも先ず魚の目に優しいかどうかである。(1)指の付け根やつま先がきつく感じるのはダメ。(2)底の薄い靴は地面から受ける衝撃が大きく、足の裏が圧迫される。この場合はクッション性のあるくインソールを敷く。(3)勿論ヒールの高い靴はダメ。ヒールが高いと指の付け根の横ラインに多きな荷重がかかる。特に開張足気味の人は注意が必要である。大き目のゆったりした靴なら良いのかというと、足が靴の前に滑っていき、やはり指の付け根を圧迫してダメだそうである。靴の選び方は「きつからず、ゆるからず」で必ず両足を履いて歩いてみる、腰をかけたり、かがんだり、つま先やくるぶし、かかとに当たる所がないか確認する。足は夕方になるとむくんで大きくなるので、この時間帯にピッタリした靴を買うのが良い。しかも値段がそこそこ、となるとなかなか条件に合う靴が見つからない。いつも靴屋を何軒も回ることが多い。

中高年の場合は、動脈硬化や糖尿病と関係している場合があるそうだ。動脈硬化は足の血行不良から、糖尿病では抹消神経の障害から、タコや魚の目が出来易くなるという。靴などの原因が思い当たらないときは、疑ってみる必要があるかも。しかし、私の場合は何が原因なのか、ピッタリ当てはまる原因が見つからない。靴だって可なり魚の目に優しい靴を選んでいるつもりだ。よく観察したら開張足でもない。今のところ糖尿病ではないし、動脈硬化は年相応と言われただけだ。いろいろ考えて見た結果、思い当たる原因は2つ、私の足の骨格が歩くのに適していないと言うか、癖があるのではないかと思う。もう一つは私の足の近代化が遅れて、まだ舗装道路を歩く足に進化していないという結論に至った。一生「魚の目」と仲良く付き合うしかありません。「悩ましき哉!タコ・魚の目」である。(2007・6・10)

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