アンドレのフォト・エッセイ「青春日和」No.4

“目利きの時代”

お宝の写真
目利きが大切なのはお宝だけではありません

最近の日本は国中いたるところでウソやデタラメが多すぎる。最近マスコミを騒がせた話題だけでも、ライブドアの粉飾決算事件、耐震強度計算偽造事件、政府のタウンミーティングのやらせ問題、雪印乳業で懲りたと思ったら、またまた大手菓子メーカー不二家の消費期限切れ原料使用問題の発覚、テレビ人気番組「発掘!あるある大事典U」のデータ捏造、やらせ問題、健康食品会社リッチランドのウソの投資話による詐欺事件、相変わらず振り込め詐欺事件の被害に遭うお年寄りが後を絶たないなど・・・・・。数え上げたらキリが無い。

1月のある日、「スーパーの納豆売り場から商品がなくなっていて買えなかった」と、かみさんがこぼしていた。納豆はもともと健康に良い食品で、我が家でも毎日のように食べている。原因は「発掘あるある大事典」で納豆がダイエットに効果があると宣伝したらしい。しかし、後でデータはでっち上げで、痩せた効果の写真も関係のない写真だったことが分かった。調べたら過去の放送番組でも捏造があったという。デタラメのデータで効果を誇張されては大迷惑である。テレビの健康番組は他にもたくさんあるが、スーパーの商品仕入れ担当責任者は、この手のテレビ番組をしっかりチェックして対応せざるを得ないという。真に受けて直ぐにスーパーに買いに行く人が多いが、しかし、話は半分に聞いて置くことである。テレビ番組を全て信じて実行していたら体もお金もいくらあっても足りない。特に食品の場合は、いくら健康に良いといわれる食品でも摂り過ぎは禁物である。「要はなんでもバランスよく食べること」と心得ていただきたい。みんな過剰な健康志向に陥っている。特に女性は<ダイエット>という言葉に弱い。テレビで放送すると何でも信じてしまうところがある。テレビとは恐ろしいものである。

不二家ではその後次々とデタラメな衛生管理が発覚している。食中毒菌が検出されても食品衛生法の規範より10倍も甘い社内基準を独自に作って対応していたなどは論外である。雪印乳業の失敗で会社の存続にもかかわる大変なことだという教訓を得ていた筈なのに、老舗の名門の名がまた地に落ちてしまった。一度落ちた信頼を取り戻すのは容易なことではない。耐震強度偽造問題は一連の事件で終ったと思ったら、また新たに別の設計士が関わった京都市内のホテルで発覚している。正確に検査すればまだまだ全国に同じような問題が発生する可能性がある。

リッチランドの詐欺事件も、この手のウソの投資による詐欺事件は何十年も昔から同じような事件が雨後の筍のように発生しているにも拘らず被害に遭う人が後を絶たない。<上手い話には裏がある>のは世間の常識の筈なのに、人間の金銭欲はいつの時代もなくならない。耳の不自由な人ばかりをだまして多額のお金を集めていた東京の介護機器販売会社の女社長の事件が発覚したが、これなどは人間の風上にも置けないひどい話である。輸入牛肉が問題になったときも、<国産牛肉>と偽って外国産を売ったり、食品の賞味期限を書き換えたり、産地を偽ったり、・・・まだまだいくらでも不正の話は出てくる。

いずれの事件や問題も人間の金銭欲、過剰な健康志向など、人間の弱点をうまく利用いている。現代は情報の氾濫時代である。現代人は、そんな一方的な情報を正しく判断する能力に欠けている人が多いように思う。その中から良い情報、悪い情報を正しく見分ける〜“目利き”〜が大いに必要になる。自分の身は自らの的確な判断で守るしかないのである。しかし<敵もさるもの>、いかにも本物らしく装ってくる。それを<ウソか?ホントか?>見極めるのは非常に難しい。しかし、その“目利き”が利かないとトンデモナイ<落とし穴>に落ちるかもしれないのである。何も“目利き”は骨董品やお宝の鑑定に必要なだけではない。あなたも、しかと!本物を見極める“目利き”のワザを磨くことである。(2007・3・3 )

「青春日和」トップ