アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.122

「城跡めぐり」

城跡めぐり

「どうする家康」の影響ではないが、最近「城跡めぐり」にはまっている。今年になってから5月に会津若松城、7月に彦根城、11月に岐阜県の岩村城跡と苗木城跡に行ってきた。「自分の運転する車で自由に旅行ができるのもあと5年くらい」という思いがある。自分の残りの人生が指先で計算できる年齢になった。コロナ禍の影響で最後の大事な人生を3年間もブランクになってしまったのは痛かった。だから80代のあと5年間くらいはいろいろな事にフル活動しようと思っている。今まで忙しいのを理由に余り出来ていなかった旅行も積極的にしようと思う。何かテーマを決めると目的地が決めやすい。その一つが「城跡めぐり」だ。

最近の情報誌などで注目されている岐阜県中津川市の「苗木城跡」へぜひ行ってみたかった。11月23日の勤労感謝の日はとても暖かな良い日に恵まれた。朝7時15分に出発して257号線をひたすら北上した。この道路は終点下呂温泉まで続く国道で、南信州、奥三河が大好きな私にとって、年に何回も走る通勤道路のようなものだ。途中の道の駅に3カ所ほど立ち寄って地元の野菜や果物などを買いながら、紅葉に囲まれた渋滞のない田舎道を快適に進んだ。途中の岩村城跡も通り道沿いなので久しぶりに寄ってみた。別名「霧ケ城」とも呼ばれる日本三大山城の一つに数えられる名城だ。標高717mの山上にそびえる豪壮な石垣群が見事だ。女城主で有名な岩村城下町は400年の歴史を誇る国の重要伝統的建造物保存地区で、これまでにも3回ほど訪れている。

苗木遠山史料館には11時半頃到着した。紅葉の時期の天気の良い休日で混雑しているのではと心配したが、それほどでもなくスムーズに駐車場に止めることができた。史料館を30分ほど見学した後、ここから歩いて15分ほどで苗木城跡だった。ちょうど紅葉の季節とあって色づいた木々が美しい。木立を抜けて城郭に入ると巨石の上に築かれた木造の展望台が真正面に見えた。先に進むと高く築かれた3層構造の大矢倉跡の石垣が見えた。この石垣も立派だが、山頂に築かれた天守展望台は豪快な石垣と巨石の上に築かれた見事な山城だった。史料館から登って来たので余り標高差は感じなかったが、天守展望台に上れば木曽川の深い渓谷がはるか眼下に、対岸の向こうには中津川市街が一望でき、その向こうに雄大な恵那山を望む。標高432mの高森山に築かれた苗木城が、周囲から隔絶したまさに「要塞」にふさわしい山城であることが分かる。

姫路城や松本城、彦根城などの現存するお城めぐりもいいが、苗木城や竹田城などの幻の城跡めぐりもいいものである。久しぶりに感動し満足した「城跡めぐり」だった。もう冬なのでまた来年3月頃から「城跡めぐり」を計画して挑戦しようと思う。「来年はどこへ行こうか」と新しい楽しみが増えた。(2023.12.10)

「令和つれづれ草」トップ