アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.119

「クマッた問題」

クマ

クマの出没被害が全国的に広まっている。毎日のようにテレビのニュースで報道されている。2023年は過去5年間で最多となっている。しかも街中での被害が増加しているのが今年の特徴だ。

やはり被害が多いのは北海道や東北で、大型のヒグマは北海道だが、ツキノワグマは本州、四国の全土に生息している。静岡県内でも伊豆地方や天竜区山間部などでも生息が目撃されている。

秋は冬眠に入る前に大量の食べ物を摂取する必要があり、クマも生きるために必死である。地球は人間だけのものではない、クマだって生きる権利がある。しかし、人間とクマが同じ生活圏の中で仲良く共存するのは無理なので、人とクマをすみ分けるのが鍵だという。

クマはもともと山奥で一生を暮らしていたが、地球環境の変化もあり、山にドングリやブナなどの木の実が不作の年は、クマは餌を求めて人里にやってくるようになった。ツキノワグマは元々臆病な草食動物で、人を襲おうとは思っていないというが、しかしクマとバッタリ出会ってしまったらどうするか。クマは逃げるものを追う習性があるので、背中を見せて走って逃げるのは一番危険だという。落ち着いてしっかり様子を観察し、ゆっくり後ずさりしてその場を離れるのが最善だ。襲われたら地面に伏せて首と腹を守る防護姿勢をとることだという。「死んだふりをする」は絶対だめだ。

このエッセイに添えるクマの写真を撮るために40年ぶりくらいに浜松動物園に行ってきた。入場料が70歳以上は無料だった。年を取るとよいことがたまにはある。クマの獣舎が入り口から一番奥だったので坂道を上ったり下ったりきつかった。幼稚園児や小学生が先生の引率でたくさん見学に来ていた。「すみません今何時ですか?」と二人の小学生に聞かれた。集合時間を気にしているようだった。お爺さんはクマの写真を撮ってすぐに家に帰って来た。(2023.10.28)

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