アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.111

「初めてのスイカ」

スイカ

6月中旬に馴染みの園芸店に行って、試しに初めてスイカの苗を買って我が家の小さな畑に植えてみた。7月の初めにふと見たら小さなスイカがひとつ生っていた。毎朝眺めて成長を観察しているが、まだ直径8pほどの一口サイズである。しっかり縞模様がついた正真正銘のスイカである。

この先どこまで成長するか、20センチは無理としても、せめて直径15pくらいに成長したら試食してみたい。スーパーでは20pほどのスイカが800円と結構高い。180円ほどの苗でひとつでも生れば十分元を取ったようなものだ。

我が家の2坪ほどの小さな家庭菜園である。年金生活者の食料自給率向上を目指して始めた。・・・というのは大げさあるが、夏にはミニトマトやピーマン、キュウリ、ナスなど定番の野菜を育てて楽しんでいる。二人家族では食べきれないほどよく獲れる。

難しいのは冬の葉もの野菜の栽培だ。無農薬なので葉っぱが虫食い状態になってしまう。虫が好んで食べるということは、それだけ美味しくて安全だということだ。家庭菜園をやってわかったことは、まったくの無農薬で野菜を作るのは営業としては成り立たないということだ。だからスーパーで売っている無農薬野菜は、まったくの無農薬ではなく、「ここまでなら無農薬と表示していいですよ」という量の農薬を使っているということだと思う。

話しは大きくなるが、日本の食糧自給率がカロリーベースで38%だそうだ。日本の豊かな食生活のほとんどが輸入に頼っている。ウクライナ問題のように、将来日本における国際環境もどう変化するかは誰にも分からないが、自分の命は自分で守るしかない。食料危機に備えた野草食や昆虫食の研究もおこなわれているようだが、今後年金も減ることはあっても増えることはない。もうしばらく元気でいたいから、ささやかな家庭菜園で何とか自給率を上げて置かないと思っている。(2023.7.9)

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