アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.106

「コゲラ」

コゲラ

スズメほどの大きさの「コゲラ」は、日本で一番小さなキツツキの仲間である。背が焦げ茶色で白の斑点模様があるのですぐにそれと分かる。後頭部の両脇に朱色の班があるのがオスだが隠れていてほとんど見えないので雌雄の見分けは難しい。木の幹にいる昆虫やクモなど小動物を食べるが果物や植物の種子なども食べる。スズメほどには警戒心がないので、静かに近づけば夢中に木を突いている姿を観察することができる。

コゲラは都市部の庭や公園などによくいるが、世界的には日本周辺にしかいないらしい。子育てのための巣は木の幹にコツコツと穴を掘って作るので、細い木や若い木では掘りにくいのと、主食になるカミキリムシの幼虫などは木の幹にいる虫なので、それらは古く弱っている老木などだ。

このごろ野鳥図鑑を買って佐鳴湖公園にいる野鳥を観察し写真撮影することにはまっている。この公園には水鳥の仲間は勿論、野鳥の種類が結構豊富なのだ。毎日のように同じところでカメラを三脚に据えてじっとカワセミばかりを撮っている人がいるが、私はひたすら歩き回っていろいろな被写体を探すスタイルが好きだ。野鳥はさすがにスマホでは撮れないので、鳥撮影モードのある2000mmズームレンズ付き一眼レフカメラを肩にかけて行く。生態写真は特に被写体にピントが合っていることが絶対条件なので三脚を立てる人が多いが、それでは機動力がなくなる。動き回る野鳥を500mm以上の超望遠レンズで撮るにはそれなりのテクニックが必要で、手持ちでもブレないで撮る技術をマスターするにはひたすら練習するしかない。(2023.4.23)

「令和つれづれ草」トップ