アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.102

「啓蟄(けいちつ)」

啓蟄

3月になったら急に春めいてきた。3月6日は「啓蟄」である。「大地が温まり冬眠していた虫が穴から出てくるころ」とされる。この頃よく部屋にダンゴムシが這っていることがある。どこからやってくるのだろうと思ったが、部屋に飾ってある観葉植物や花の植木鉢の中から這い出して来るのだ。

いつもの佐鳴湖公園にウオーキングに行くとタンポポが咲き始め、河津桜のピンクの花も満開状態できれいだ。木の幹に蛾の仲間のつがいを見つけた。木の幹の模様と同じなので、よく目を凝らさないと見逃してしまう。いよいよ春になって暖かくなったので越冬していたサナギが成虫になって出てきたのだろう。

蛾の仲間は世界中で12万種もあり、私が見つけた写真の蛾はその中のシャクガ科の仲間だと思うが、シャクガ科の仲間も世界では2万種以上、日本でも900種以上あるので、図鑑を見てもどれなのか正確な名前は素人の私にはよく分からない。この蛾の幼虫は通称「尺取り虫」というイモムシである。進む姿が指で距離を測る姿に似ているので尺取り虫と呼ばれる。植物や樹木の枝に色や形を似せて擬態化しているので見つけるのは困難だ。植物の葉っぱを食べて成長するので、虫食いだらけになっている葉っぱは、この尺取り虫が食べた痕なのだろうか。

いよいよ虫も動き出して活動を始めた。私も外へ出て新しい活動を始めようと思うが、この時期は花粉症の季節でもある。年齢と共に鈍感になったのか花粉症の症状は軽くなってきたが、相変わらず目がかゆく、鼻がムズムズするのでかなわない。今年の花粉の飛散量は10年に一度の大飛散量だという。そろそろ「コロナのマスクは外していいですよ」と言われても、今度は花粉症予防のマスクが外せない。(2023.3.6)

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