アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.101

「高齢者マーク(もみじマーク)」

高齢者マーク

あなたは車に高齢者マーク(正式には高齢運転者標識、もみじマーク、四つ葉マークともいう)を付けていますか?規定によると「高齢者は、危険を避けるためのとっさの行動をとることが困難となったり、危険の発見や回避が遅れがちになる傾向にあります。このため、70歳以上の高齢運転者は、普通自動車を運転する場合、自動車の前と後ろの定められた位置に高齢者マークを表示するよう努めましょう。周囲の運転者は、高齢者マークを表示した自動車に幅寄したり、前方に無理に割り込んだりしてはならないとされており、高齢運転者を保護します。」となっている。

「高齢運転者標識」は1997年10月の道路交通改正により75歳以上を対象に表示することが努力義務として制定され、その後2002年6月に75歳から70歳に引き下げられ現在に至っている。つまり、高齢者マークは努力義務で、必ずしも表示しなくても罰則はありません。ただし、高齢者マークを表示している車に対して、他の運転手が危険防止のための止むを得ない場合を除き、側方に幅寄せや割込みなどをした場合は、道路交通法違反となり、罰金や反則金、行政処分で減点になる。といっても、たまたまその時警察官がいて検挙されればの話しで、普段は見逃されてしまう。・・・というか、無理な幅寄せや割込みは相手が高齢者でなくてもやってはいけない行為だ。

その後、2007年に一度義務化されたが、高齢者や国会議員からの反発が多く、2009年に再び努力義務に戻った経緯がある。みんな高齢者マーク表示には抵抗があるということだ。表示対象は「70歳以上で、高齢によって生じる反射神経の鈍化、視力や聴力の低下といった、身体機能の低下が車の運転する際に影響を及ぼす恐れがある人」となれば、誰も自ら認めたくないし、もし本当にそうなったら運転は止めるべきだ。

最初は「もみじマーク」だけだったが、「枯れ葉のようだ」といった不評があり、「四つ葉マーク」にデザインが変更され現在2種類がある。ところで、もみじマークを表示しない高齢者に聞くと、「面倒」「恥ずかしい」「逆に若いドライバーに馬鹿にされて幅寄せされる」など、すこぶる高齢者に不評だ。

昨年80歳を迎えた私は、スーパーの駐車場で斜めに駐車してしまうなどはあるが、白内障手術で目は以前より良く見えるようになり、先月の高齢者免許講習の認知症テストも無事合格した。スピードは出さない、交差点では減速し、一時停止はしっかり停止して、慎重な運転を心がけているつもりだ。高齢者マークを付けるメリットが分からないので付けていないし、今のところ付けるつもりはない。何かいかにも「年寄りになりました」という感じに抵抗感があるのも正直なところだ。車の税金が安くなるとか、保険料が割引になるなどのメリットがあれば考えるかも知れない。果たして70歳以上の何%が付けているのだろうか?(2023.2.20)

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