アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.95

「アキアカネ」

アキアカネ

〜♪ゆうやけこやけの赤とんぼ・・・♪〜童謡「赤とんぼ」でおなじみの赤とんぼは、トンボ科アカネ属のトンボの総称で、赤とんぼの種類は日本では21種類ほどあるが、一番ポピュラーなのは「アキアカネ」だ。秋に佐鳴湖公園へウオーキングにいくと、小枝の先にたくさんのアキアカネがとまっている。赤くなるのは成熟したオスだけで、未成熟なオスやメスは黄色っぽい色をしている。

アキアカネの羽化は5〜6月頃なのに、どうして夏はあまり見かけないで、秋になると急に平地でよく見かけるようになるのか。アキアカネは体温の排熱能力が低く、気温が30度を超えると生存が難しくなるため、真夏は標高の高い涼しいところで過ごしている。気温が下がった秋になって平地に移動してくるのだ。アキアカネは平地で繁殖行動を行い、卵を水面や水際の泥の中に産み付ける。そして成虫は11月頃まで生きていて、卵は泥の中で越冬して春にヤゴになる

アキアカネに対してナツアカネもあるからややこしい。見た目はほとんど同じで、こちらは羽化後も同じところに留まるか、あまり遠くへは移動しないので真夏でも見られる。アキアカネとナツアカネの違いは、胸の部分の縞模様が1か所横に切れていなければアキアカネで、切れていればナツアカネだ。と言っても個体によってはっきりしないのもあるので識別はマニアックで難しい。

秋の風物詩の赤とんぼも近年めっきり少なくなっているという。その一因が田んぼで使用される農薬だ。赤とんぼと稲作の田んぼは、赤とんぼの幼虫のヤゴの生育に一番最適な環境だが、農薬もさることながら、田んぼの耕作面積が減容傾向にあるのも赤とんぼの減少要因として無視できないようだ。(2022.11.27)

「令和つれづれ草」トップ