アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.89

「カワセミはセミの仲間?」

カワセミ

佐鳴湖公園にウォーキングに行くと必ず望遠カメラでカワセミを狙うアマチュアカメラマンの集団に出会う。佐鳴湖公園はカワセミの貴重な生息地だ。水中を見下ろす水辺の小枝に止まり、魚の姿を見つけると勢いよく水中に飛び込んで小魚などの獲物を捕らえる。佐鳴湖公園に行くとそんなカワセミの姿に80%以上の確率で出会うことができる。

カワセミはブッポウソウ目カワセミ科カワセミ属に分類される鳥で、体調17pほどのスズメより少し大きい鳥だ。川や湖、池などの水辺に生息し、天敵のヘビやイタチからヒナを守るために垂直に切り立った土手に巣穴を作る。佐鳴湖はカワセミとって理想的な環境なのだ。

体に対して大き目の長く流線型のくちばし、ブルーの背中とオレンジ色のお腹が鮮やかで、水面すれすれに直線的に素早く飛ぶ姿をよく見かける。漢字で「翡翠」と書き宝石のように美しい体色をしているので「飛ぶ宝石」とも呼ばれ、この美しい体色が人気の一番の理由である。オスのくちばしは黒く、メスは下くちばしが赤い特徴があり、雌雄の見分けがつく。

ところで「カワセミ」という名前の由来だが、名前だけ聞くとアブラゼミやクマゼミなどのセミの仲間かと間違えてしまう。カワセミの語源はカワ「川」とソビ「青土」との語からなるとするのが有力だが、「川に棲むセミ」の意で、セミは古名の「ソニ」「ソビ」が変化し「セミ」になったという。川にいる背が美しい鳥で「川背美」、さらに幼鳥が巣穴の中で鳴く声がセミに似ているから「カワセミ」などの説もある。アマチュアカメラマンが毎日のように来ても飽きない魅力のある鳥だ。(2022.10.8)

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