アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.88

「中秋の名月」

中秋の名月

「中秋の名月」とは、旧暦の8月15日の夜に見える月のことです。「一年で一番美しい月」と言われています。今年は9月10日でした。中秋の名月は満月とは限りませんが、ちょうど今年は満月と重なりました。中秋の名月は太陰太陽暦の日付で決まるが、満月は太陽・地球・月の位置関係で決まり、しかも月の軌道は楕円形なので新月から満月までの日数が毎月変わるからです。

中秋の名月を愛でる習慣は平安時代に、「お月見」「望月」という月を見る習慣が中国から日本の貴族社会に伝わったと言われます。日本では中秋の名月は農業の行事と結びつき「芋名月」と呼ばれることもあります。収穫祭に因んで里芋やサツマイモなどをお供えするところもあります。里芋は親株から子芋、孫芋・・・と増えていくので、子孫繁栄の縁起物です。

中秋の名月には一般的には縁側にススキを飾ります。ススキは古くから魔よけの効果があると言われています。ほかに定番の「月見団子」です。作物の収穫への感謝に由来する月見団子は、地域によって作り方も形も異なりますが一般的には満月に見立てて丸く、十五夜にちなんで15個です。「ススキと月見団子を供えた縁側で、風呂上がりの浴衣姿で中秋の名月を愛でながら一杯やる」・・・たまにはそんな風流な気持ちになって見たいものです。でも最近の住宅には縁側がありません。

ちょうどこの日は日課の佐鳴湖公園ウオーキングを夕方の6時から行っていたので、すでに暗くなった帰り道の7時頃にアクトタワーの真後ろから大きくオレンジ色に輝いて昇ってきました。少し雲がかかっていましたが、家に帰ってから昇って来た名月を、2階のベランダから愛用のNikon一眼レフの2000ミリ超望遠レンズで撮影してみました。雲も晴れてはっきりと、ほんとに真ん丸の月を撮影することができました。でも、うさぎが餅をついている姿は見当たりませんでした。(2022.9.18)

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