アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.80

「8020運動」

8020

「8020運動」とは、ご存知のように「80歳になっても、20本以上の自分の歯を保とう」という運動だ。自分の歯が20本以上あれば、ほぼ食生活に満足することができると言われる。そのため、平成元年(1989年)より厚生労働省と日本歯科医師会が推進している。

運動当初は達成率が7%程度(平均残存歯数4〜5本)だったが、厚生労働省の「健康日本21」(21世紀における国民健康づくり運動)での2007年の中間報告では目標20%に対して25%、更に2016年には達成者が51%になったという。ちなみに、成人の歯は、標準で28本〜32本である。私も今年80歳になって26本あるので8020達成者である。

歯は健康にとても大事だ。食べ物をしっかり噛むことができれば、全身の栄養状態も良くなり、良く噛むことで脳が活性化され、認知症のリスクが軽減される。逆に歯を失ってしっかり食べ物を噛めなくなると認知症の発症、生活の質の低下、イライラして攻撃的になる・・・などの大きなリスクがあるという。歯を失う原因で最も多いのが歯周病だ。生活習慣病と言われるのこの病気は、成人の80%が掛かっているという。日頃の不規則な生活や生活習慣の乱れで歯周病になりやすく、毎日のチェックが必要だ。

私は歯のケアは20年ほど前から3か月ごとに歯科検診を、今年からは毎月検診をしてもらって、歯周ポケットと虫歯の検査、歯垢の掃除をしてもらっている。お蔭で8020は達成できたが、それでも、検診のたびに歯磨きの不十分さを指摘される。歯間ブラシをしっかりやるのが理想のようだが、毎日の歯磨きは歯科衛生士の指導通りにはなかなか難しい。若い頃は比較的歯は丈夫だったので、余り歯のケアに気を使わなかったツケが、後になって2本失うことになってしまった。

どんなことでも病気になってからの治療より、なる前の予防が大切なのは言うまでもない。政府も最近急に医療費の抑制を目的とした、「国民の歯科検診義務化」を検討し始めている。動脈硬化や心臓病を引き起こす歯周病の早期発見をうながし、医療費の上昇に歯止めをかけたいとの狙いがあるようだ。

このあいだ整理ダンスの引き出しを見たら、いつ、どこでいただいたのか記憶にないが、「8020推進員☆静岡」のバッチが出てきた。ちなみに6月4日〜6月10日は「歯と口の健康週間」でしたが、健康寿命を延ばすためにも、みんなに「8020運動」を勧めよう。(2022.6.12)

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