アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.78

「衝撃的な新聞広告」

新聞広告

5月15日(日)の朝刊に全面を占める衝撃的な新聞広告が出ていた。「すべての科学者に告ぐ。」というキャッチフレーズだ。この日は「沖縄日本復帰50周年」の節目の日である。いったいどこの広告なのかと思ったら、ある工業大学の創立80周年を迎えての広告だった。科学に疎い私だが、そのメッセージには衝撃的な感動を覚えた。

「世界は急速に、良くない方向へ進んでいる。その真ん中に科学技術が存在していることは、否定のできない事実である。最先端の技術が、他国の軍事力を凌駕するため利用される。命を救うための研究が兵器に応用され、いとも簡単に人命を奪う。戦争によって技術革新は進んでゆく、その葛藤に我々は苦しみ続けてきた。しかし、科学者たちよ。今こそ声を上げるべきだ。すべての技術は人間を幸福にするため生まれ、世界に平和をもたらすためにのみ生かされるべきだと。」

ロシアのウクライナ侵攻を意識してのメッセージである。平和な国の科学者の苦悩がよくわかる。「世界平和」という理想は、もはや理想でしかないような気がする。地球上の人間社会から争いを無くすことは、この先もずっと不可能なのだろうか。(2022.5.15)

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