アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.59

「スマホを持たない人は信用されない時代?」

スマホ

今や「スマホを持たない人は信用されない時代になった」と言ったら、「そんなバカな!」と言うかも知れない。しかし、現実にそういう時代になってきたのだ。

まもなく60歳になる知人は息子が大学卒業後、東京都内の会社に就職した。会社の規定で入社3年間は会社の独身寮に入居した。4年目の今年は民間の賃貸マンションに引っ越さなくてはならなくなった。不動産屋に行って、あるマンションの入居契約をする際に父親である知人に携帯電話の番号を求められた。「私は、そういうのは苦手なので携帯電話は持っていません」と言ったら、不動産屋から「今は携帯電話を持っていない方は保証人にはなれません」と言われてしまった。たまたま同席していた妻が携帯電話(スマホ)を持っていたので、「では保証人はお母さんでいいですよ」と無事契約できて事なきを得たという。

息子の保証人を拒否された知人はショックを受けて、早速「簡単スマホ」の契約をしたのは言うまでもない。今や「携帯電話=スマホ」の時代、スマホを持っていないと信用されない時代になってしまったのだ。経済力は当然だが、今の時代はスマホが操作できない人間は「時代に適応できない無能力者」と思われてしまうのか?不動産屋の真意は確認していない。

これからの時代は年齢に関係なくスマホが必需品になってきた。コロナのワクチン接種証明もスマホに導入されるという。自動車運転免許証、健康保険証、マイナンバーカードなど、あらゆるものがスマホにドッキングされるという。日本のデジタル化が国際的に遅れていると言われ、政府もデジタル庁を新設して強力に推進する方針のようだ。そのうちスーパーやコンビニ、レストランなどのほとんどが「現金での支払はできません」となるかも知れない。嫌いとか苦手とか言っている場合ではなく、高齢者もデジタル化に適応していくしかない。・・・そういう時代になったということだ。(2021.10.30)

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