アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.43

「うっせいわ」

うっせいわ

正体不明の女子高生Ado(18歳)のデビュー曲「うっせいわ」は、YouTubeに投稿するや、5か月余りで1億を超える再生回数となって話題となり、テレビのニュース番組でも取り上げられるほどの、今や社会現象になっている。作詞・作曲は別の20代の男性ミュージシャンのようだが、私にとって孫の世代の今どきの若者がどんなものに興味を示すのか気になってネットを覗いてみた。

YouTubeで曲を聞くと確かに視聴回数1億回を優に超えている。テンポの速いリズムで若い女性が歌っている歌詞は、よく分からないのでネットで見ると結構過激な言葉が並んでいる。世の中の若い大人が本音も言えずにじっと我慢して、いい子ぶりしている姿への風刺のような歌詞だ。簡単ではない曲だが、リズムカルでメロディもはっきりして、彼女のドスの効いた歌唱力は豊かで、若者の感情を揺さぶるパワーがあるのだろう。一度脳に入り込むと、勝手に口から出てくる中毒性のある曲だという。小学生などは歌詞の意味など理解できるはずもなく、リズム感の軽い気持ちで「うっせい、うっせい、うっせえわ・・・」と歌っているらしい。

親の世代の感想は「教育によくない」「親の世代には受け入れられない」「現代の若者の本質そのものだ」「若者の心の中の本心を代弁している」・・・など、いろいろな意見がある。流行に乗り遅れまいとする若者の心理を突いた、「鬼滅の刃」が大ヒットしているのに似たような現象なのだろうか。後期高齢者の我々にはよく理解できない内容であるが、それにしても視聴回数1億回は半端ではない数字だ。ネット社会では、若者の間でしばしばこのような爆発炎上する現象が起こる。そんな話題に乗り遅れまいとしているお爺さん世代の自分に苦笑してしまう。余りメジャーではない話題だけれど、お爺さんは少し気になったのだった。(2021.4.11)

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