アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.41

「万葉の森公園のツバキの花」

ツバキの花

20歳のころから写真が好きで趣味として親しんできた。若い頃は撮影会と称するイベントにもよく出かけた。草コン(地方の写真コンテスト)にも挑戦して何回か賞をいただいて電化製品などをいただいたりした。ニッコールクラブ・コンテストなどにも入賞したが、さすがに全国区の「最優秀作品賞金100万円」のレベルの入賞歴は残念ながら力及ばず経験していない。

入賞作品は版権が主催者に移るので、作品のネガを提出することになる。2、3万円程度の賞金で一番気に入った写真のネガを取られてしまうのは納得できないところもあったが、所詮コンテストの写真は自分の撮りたい写真ではないと思うようになり、コンテストに出すことは止めてしまった。50年も昔の20代の頃の話しである。その後は趣味としてテーマを決めて自分の作品作りに徹している。複製が簡単なデジカメ時代になってから、著作権は難しい問題が絡んでいるようだ。

万葉の森公園にはツバキの木が200種400本が植えられている。万葉資料館にはツバキの花のアップ写真が壁一面に展示されている。私も万葉の森公園のツバキの花のすべてを写真に収めることを思いついた。ツバキの開花は2月下旬から3月上旬、種類によって開花の時期が異なるので1回や2回の訪問では無理である。今年は3回ほど訪問して74種330枚ほどを写真に収めたが、もちろんすべてではない。

花のアップ写真の難しさは、たくさん咲いていても意外にアップに耐える花は少ない。姿かたちがよいと思えば花びらに虫食いの穴が開いていたり、一部が茶色に変色していたりで無傷なものは少ない。高いところに綺麗な花を見つけても角度が悪かったり、葉っぱや枝に隠れて全体が見えなかったりだ。気象条件により風の強い日は無理、快晴の日もコントラストが強すぎる。明るい薄曇りの日で無風の午前中が花を撮る条件はベストだ。

花の開花時期と気象条件と自分の都合がマッチしないと良い写真は撮れない。全てがベストコンディションは難しい。ただカメラをもって出かければ良い写真が撮れるわけではないところにやり甲斐と楽しみがある。(2021.3.28)

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