アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.29

「長楽寺の満天星の庭」

長楽寺の満天星の庭

12月3日の中日新聞に細江町の長楽寺の満天星の庭が見頃との記事が載っていた。8日の午前、お天気も良く予定も空いていたので写真取材に行くことにした。12年前より担当している(公社)浜松市シルバー人材センターの会報誌「シルバー浜松」の来年の表紙のための取材である。

年間3回発行の「シルバー浜松」の表紙は「新浜松の自然100選」をシリーズとして2010年から自ら現地取材して掲載している。特に花や紅葉など季節性のある所はその年によって時期がまちまちで、100ヶ所すべてを取材するのは結構時間がかかる。まだ取材できていない箇所はたくさんあるが、1回で満足できる写真が撮れるとは限らず、複数回通うことも多い。

長楽寺は何度も訪れているが、しばらく住職が不在の時期があった。4年ほど前だったか、50歳前後の若い尼僧の吉田真誉さんという庵主を迎えた。庵主自ら描いた仏画展や写経の会、法話の会等を開催し、新しいネット社会に対応したホームページも活用して活発に活動している。満天星のシーズンなので観光客が来ない前に、また、午後になると庭が日影になってしまうため朝10時には現地に着くように自宅を出発した。10時ちょうどに長楽寺に到着したところ、駐車場にはまだ車は1台もなかった。受付に誰もいなかったので拝観料300円を勝手に料金箱に入れて入口で記帳し、アルコールで手を消毒して本堂へ上がったところ、何やら読経の声が聞こえてきた。覗いたら庵主は本堂でどなたかの法要の最中だった。

15分ほど待って法要が終わったのを見届けて庵主に挨拶をした。市の外郭団体の会報誌の表紙の写真取材をさせていただきたい旨お話して、格子の窓を開けさせていただき、部屋の中から自由に撮影させていただいた。30分ほど撮影していると、観光客が三々五々見えて賑やかになってきた。部屋を出て今度は外から庭をいろいろな角度から撮影し、約1時間ほどで写真取材を終了してお礼を述べ、11時半ころお寺を後にした。庵主とはゆっくりお話を伺いたかったが、この日は観光客が多くてお話しができなかった。又いつかゆっくり来ようと思う。駐車場には既に10台以上の車が停まっていた。(2020.12.13)

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