アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.25

「どんぐりころころ」

どんぐり

♪どんぐりころころ どんぶりこ おいけにはまって さあたいへん どじょうがでてきて こんにちは ぼっちゃんいっしょに あそびましょう♪

「どんぐりころころ」は大正時代に作られた童謡です。終戦直後の小学校に使用されて広く歌われるようになって「日本三大童謡の一つ」と評されています。

〜作詞した青木存義は宮城県松島町の大地主のお坊ちゃん。広大な屋敷には「どんぐり」が実るナラの木があり、その横には大きな池があった。朝寝坊だった子どものころ、母親が知恵を絞って、池に「どじょう」を放った。青木は「どじょう」が気になって毎朝早起きするようになった。そんな子どもの頃を思い出してこの歌を作ったという。〜

私が高齢者施設で行う音楽セッションンの冒頭には童謡を2〜3曲演奏する。曲を演奏する前に、必ず上記のような、その曲が生まれたエピソードや逸話をお話しすることにしている。施設の高齢者は昔の子どもの頃を思い出して涙ぐむ人もいる。音楽療法で言う回想法を意識して演奏している。しかし、今年はコロナ過で施設からの演奏依頼がないのは残念だ。

還暦を機会に高齢者施設で音楽を演奏するようになって童謡や唱歌が好きになった。メロディーもやさしく親しみやすくて心が和む気がする。童謡や唱歌は今では小学校の教科書にはないのか、今の子どもたちは歌わない。専ら歌うのはお年寄りばかりである。時代が変わったとはいえ、さみしい思いがする。

そういえば、先月国道257号線を走って岐阜県の女城主の町・岩村町へ遊びに行った時に、「どんぐりころころ」のメロディ―が流れるトンネルがあった。豊田町の川手トンネル(407m)だ。スピードの出し過ぎによる事故防止のために作られたという。

ところで、山では今年はどんぐりが不作で、クマが餌を求めて人間の生活圏に侵入して市街のショッピングセンターにも出没するに至ってはクマッタものである。コロナの自粛で山里に人間がいなくなったのも影響しているとか。また若い世代の熊は人間を怖がらなくなったとも。しかし〜熊との共存〜はなかなか難しいぞ。(2020.11.8)

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