アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.24

「赤とんぼ」

赤とんぼ

♪夕焼け小焼けの 赤とんぼ 負われて見たのは いつの日か
♪山の畑の 桑に実を 小かごに摘んだは いつの日か
♪十五でねえやは嫁に行き お里のたよりも 絶えはてた
♪夕焼け小焼けの赤とんぼ とまっているよ 竿の先

童謡「赤とんぼ」である。作詞した三木露風は5歳の時に両親が離婚し、祖父の元で子守奉公の女中(姐や)に面倒を見てもらっていた。そんな幼い頃の思い出を歌った歌である。 「負われてみた」を「とんぼに追われて」と思っていたが、「姐やの背中におんぶされて赤とんぼを見た」という意味だと知ったのは結構大人になってからだ。

1989年(平成元年)に「日本のうた・ふるさとのうた」全国実行委員会がNHKを通じて実施した全国アンケートで「あなたが選ぶ日本のうた・ふるさとのうた」で「赤とんぼ」が第1位を獲得。2003年(平成15年)にNPO法人「日本童謡の会」のアンケート「好きな童謡」でも見事に第1位に選ばれている。

歌詞を見ると、1〜3番は過去形で、4番だけ現在形になっている。つまり大人になってから「ふと竿の先にとまっている赤とんぼを見て、自分の幼い頃を回想してこの詩を作ったことがわかる。

私もいつもの佐鳴湖公園にウォーキングに行ったら、たくさんの赤とんぼが飛んでいるのを見た。ふと見ると葉の落ちた枝の先に赤とんぼがたくさん止まっていた。そこで幼い頃を思い出してみた。勉強もしないでトンボ採りに夢中になっていた思い出は沢山あるが、ねえやにおんぶされた記憶もないし、こんな素晴らしい童謡の詩は浮かんでこなかった。(2020.10.31)

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