アンドレのフォト・エッセイ「令和つれづれ草」No.21

「我が家の庭の主」

ヒキガエル

「やあ!ヒキガエル君ひさしぶりだね」・・・秋になって涼しくなったので庭の手入れをしていたら、ひょっこり姿を現したヒキガエル君。家を新築した時から棲み始めている「わが家の庭の主」である。時々庭の奥の茂みを手入れすると出会うことがある。

もうかれこれ30年以上になるが、ヒキガエルの寿命は10年くらいだから3代目か4代目くらいになるのか。ヒキガエルは別名ガマガエル、イボガエルともいう。背中のイボから有毒な液を出して身を守るというが、そんな攻撃を受けたことはない。私がこの家の主人で、何もいじめないことを知っているのだろう。

繁殖期以外は森林や畑、家の庭に棲むという。今まで鳴き声を聞いたことがない、極めておとなしいカエルである。久しぶりだったので記念写真を撮って、再び茂みの中に戻ってもらった。

ヒキガエルはどう見ても集団で生活しているようには見えない。ひとりでじっと土の中で自粛生活をしているのか、何を楽しみに生きているのだろうか。地上では人間が新型コロナで苦しんでいることなど、多分知らないだろう。今度会ったら自粛生活の楽しみ方を教えてもらおう。(2020.10.13)

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